『もののけ姫』や『ポケット・モンスター』、『千と千尋の神隠し』等の進出によって、一躍脚光を浴びたかに見えるアメリカにおける日本製アニメーション。しかしその実態は？
『鉄腕アトム』に始まり、『マッハＧＯ！ＧＯ！ＧＯ！』や『科学忍者隊ガッチャマン』、『宇宙戦艦ヤマト』、『機動戦士ガンダム』、『超時空要塞マクロス』、『ＡＫＩＲＡ』、『美少女戦士セーラームーン』ｅｔｃと年代を追ってアメリカにおける日本製アニメの実像に迫ろうとしている。しかし体系的な資料がなく、著者が苦心していることが窺われるし、また著者自身がアニメーションに対して門外漢（朝日新聞の記者）であるためかファンからすると随分もどかしい思いもするのだが、意欲的な労作であることは間違いない。少なくてもある程度年季の入ったアニメファンならば、昨今のマスコミの持ち上げ方ほどアメリカでの日本製アニメは浸透していないことは承知だろうが、若いファンには目からウロコというか、些かショッキングな事柄も多いかもしれない。

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