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「義経と静御前・二人の『その後』」 今泉正顕
投稿日 : 2004/08/18 20:53
投稿者 Excalibur
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「各地に残された生存伝説は何を語るのか」と副題にあるが、これは勿論「二人は実は死んでいなかった」という展開に繋がるのである。義経が衣川で死なず北海道へ逃れたことは「事実」であり、京で死んだとされる静御前も、当然のように義経の後を追っていった、と徹頭徹尾語られる。
確かに各地に残る伝承には、何らかの元になる事象が反映されているのでは、という推測はわかるし、元々義経生存伝説には非常に興味を持ち、比較的単純に信じてしまう方、というか信じたい方ではあるのだが、こうまで端から決めてかかられると逆に信憑性に乏しく思われてくる。
ちなみに本書では二人は結局再会すること叶わず、静御前は郡山あたりで亡くなったとし、一方の義経も北海道から大陸へ向かったもののその後消息不明となった、と結論付けている。つまり良くある「義経=ジンギスカン」説には真っ向から反対し、「義経生存」と「=ジンギスカン」は切り離して考えるべきだというのが著者の主張なのだ。だが、ジンギスカンになったかどうかは兎も角として、行方不明で片付けるというのは随分乱暴というか、興を削ぐまとめ方であり、これまでのせっかくの主張も一挙に色褪せる感じだ。
来年のNHK大河ドラマ『義経』にあやかった書籍はこれから沢山出版されるだろうが、これは早い。もっとも2年半ほど前に『静御前伝説とその時代』と題されて出版されたものの、増補改訂版だとのことである。
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