中世のバラッドから、詩、演劇、小説、映画・・・と人々の中に生き続けるロビン・フッドの伝承を鳥瞰した岩波新書の一冊。これはこれで興味深いのだが、自分が捜していたのはその伝承そのもの、というか、ロビンは実在したのか、もし実在したとするならばモデルになったのはどういう人物だったのか、について述べている本だったのでちょっと期待外れ。この本のスタンスは、逆に実在のロビン捜しにはさしたる意義を見出さない、というものだったからだ。イギリスのカルチャー自体に関心のお有りの方には良い本だろう。

編集