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「銀河英雄伝説/新たなる戦いの序曲」
投稿日 : 2001/02/16 23:57
投稿者 久保田r
参照先
1993年 原作:田中芳樹

<CAST>
●銀河帝国
ラインハルト:堀川亮、キルヒアイス:広中雅志、アンネローゼ:潘恵子、ブラウンシュバイク公:小林修、フレーゲル:二又一成、リヒテンラーデ:宮内幸平、ゲルラッハ:八奈見乗児、メルカッツ:納屋悟朗、シュターデン:村越伊知朗、エルラッハ:屋良有作、ファーレンハイト:速水奨、シュナイダー:目黒裕一、ヴェストパーレ夫人:横尾まり、ミッターマイヤー:森功至、ロイエンタール:若本規夫、、メックリンガー:土師孝也、シュタインメッツ:石丸博也、エーレンベレク:佐藤正治、シュタインホフ:勝田久、ミュッケンベルガー:柴田秀勝、フリードリヒIV世:阪脩、フォーゲル:松尾貴司、サンデルス:佐藤浩之
●自由惑星同盟
ヤン:富山敬、ラップ:田中秀幸、ジェシカ:小山芙美、アッテンボロー:井上和彦、ユリアン:佐々木望、ヒャゼルヌ:キートン山田、シトレ:内海賢二、パエッタ:徳丸完、ラオ:亀山助清、バストーレ:石井康嗣、ムーア:平野正人、キム:中博史、ゴドノフ:伊藤栄次、カルロス:藤原啓治、トリューニヒト:石塚運昇、アーメド:増田有宏、エリクセン:相沢正輝、タナンチャイ:岩永哲哉、ナン:石野流三、マガディ:松尾貴司、池上麻里子、まるたまり、住友優子、
●フェザーン
ルビンスキー:小林清志、ボルテック:仁内建之
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まとめという名のつぶやき
投稿日 : 2001/10/05 00:16
投稿者 久保田r
参照先
映画の後半は、戦闘シーンで占められていますので、私から特にこれ、という言うべきこともないのですが、『銀英伝』の主軸の一つにヤンvsラインハルトがありますので、戦術面に於ける両者の思考や駆け引きは見所の一つとなっています。
映画の中で「俺にもっと権限があれば・・・か」と、ヤンが独語するシーンがあります。映画のみならず、OVAの本編を見ていましても、”もし・・・”という思いに囚われることがあります。”もし、この時点でヤンが同盟側の最高指揮官であったならば・・・”と、思うと、ラインハルトとヤンの歴史はもっと違う形になっていたのではないか、と思うのです。
前作の『我が往くは星の大海』は、ピンポイントでお話の一部を映像化しそれを披露した、という感じでしたが、当映画『新たなる戦いの序曲』は、『銀英伝』の作品イメージを映画という枠でまとめた、という感じがします。ですので、本当は私がこんなに長々とストーリー紹介をするまでもなく、この映画を見ていただくだけで、『銀英伝』の面白さ、魅力といったものが伝わって来る作品であると思います。
『銀英伝』がお好きな方、『銀英伝』が気になる方にお薦めの1本です。
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後半
投稿日 : 2001/10/05 00:14
投稿者 久保田r
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「無能者め。反応が遅い」
映画の後半の舞台となったアスターテ会戦は、銀河帝国軍2万隻、自由惑星同盟軍4万隻という、数の上では、倍の艦艇数を誇る同盟軍側の勝利が約束されたようなものでした。事実、これより155年前の『ダゴン星域会戦』において、同盟軍は帝国軍を3方から包囲して帝国軍の戦力を少しずつ剥ぎ取って勝利を治めていたからです。よって、この時アスターテ星域会戦に集まった同盟軍の指揮官達は、輝かしき栄光の再来とばかりに、意気揚々と艦隊を3方に分散させます。
一方、ラインハルトの足手纏いとなるべく集まった帝国軍の提督達は、ラインハルトに意見具申を申し立てます。彼らが示唆するところは勿論、”倍の艦艇に包囲されていては、敗北は必至である”。しかし、ラインハルトは彼らの意見を一蹴します。”敵が3方に分散されているからこそ勝機。我が方は、各個撃破により敵陣を突破する” 。
そして、ファーレンハイト少将の先鋒により戦闘の火蓋は切って落とされます。最初の砲火を浴びた同盟軍第四艦隊の司令官は、予定外の行動を取られたことに動揺し、慌てふためいたことで迎撃の指示が遅れ、冒頭のラインハルトの独語を産ませます。
会戦が始まる前、ヤン・ウェンリーは、ラインハルトの作戦を見抜いていて、包囲以外による作戦を上官に提出しています。しかし、その時点で負けることなど夢にも思っていない同盟軍上層部は、ヤンの作戦を却下してしまいます。
かくして、ヤンの読みは当たり、帝国軍は第4艦隊に引き続き、第6艦隊までも撃破し、ヤンのいる第2艦隊へと牙を剥きます。この時、第6艦隊にいたヤンの親友ラップは、頭の硬い上官の無茶な特攻により戦死します。ジェシカの口紅が付いたハンカチを握りしめて・・・。
同盟軍第2艦隊旗艦パトロクロスは、被弾により司令官が肋骨を折る重傷を負い、気を失う寸前にヤンに艦隊指揮を託します。そしてヤンは言います。「最後の瞬間に勝っていればいいのだ」
そのヤンの通信を傍受していたラインハルトは、一気に片を付けるべく、紡錘陣型を取って中央突破をはかります。だがそこにヤンの奇計がありました。中央突破を許し、左右に別れた艦隊は、帝国軍が通り抜けた瞬間に後背を取ったのです。しかし、ラインハルトが極普通の指揮官であったならば、慌てて反転してそこを狙っている同盟軍から集中砲火を浴びることになったのでしょうが、戦争の天才ラインハルトは、反転はせずに前進を続け、時計周りに回ることでさらに敵の後背を取ります。それぞれの艦隊の後背にそれぞれの艦隊が位置する、という陣型は、数時間後宇宙に長大な円を描く消耗戦と評す陣型となりました。
ラインハルトと互角に戦ったヤンの元に、1通の電文が届きます。「貴官の勇戦に敬意を表す。再戦の日まで壮健なれ。銀河帝国軍上級大将フォン・ローエングラム」
こうして戦いは終わり、映画はラストとなります。

エンディングのスタッフロールが流れる中で、双方の戦い後のシーンが描かれます。

倍の兵力に囲まれながらも勝利を治めたラインハルトは元帥に叙され、皇帝より元帥杖を授与されます。
一方、しんと雪の降り積もる墓所を訪れたヤンは、親友ラップの墓の前に佇むジェシカの姿を見て足を止めます。ジェシカの頬には幾筋もの涙が・・・。
そして、今会戦で功績を残したヤンは、新設される第13艦隊の司令官に任命され、その最初の任務を与えられます。「イゼルローンを攻略せよ」

このラストシーンは、全110話を数えるOVA本編へと繋がる終わり方でありました。
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前半
投稿日 : 2001/10/05 00:13
投稿者 久保田r
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帝国歴486年、宇宙歴795年。舞台は、ラインハルト率いる艦隊が帝都オーディンへ帰って来る所から始まります。
あれ?と思ったのが、幕が開けたばかりなのに母国へ帰還するという絵です。(帰って来ちゃったら、お話は終わりなのでは?)と思いまして、この映画は一体何を見せたいのだろう?と、先ずはそこに好奇心をそそられました。

戦いに勝利を治めたラインハルトとキルヒアイスは、アンネローゼの元へ会いに行きます。戦争の天才ラインハルトは、戦いに勝つ度に昇進して行くので、姉のアンネローゼは心配の余りラインハルトに尋ねます。「その後はどうするの?」と。
『年が明けてすぐに2万隻の艦隊を率いて同盟領へ侵攻せよ』
ラインハルトの台頭を快く思わぬ貴族たちが、ラインハルトを何とか亡き者にせんと企てます。この作戦を同盟へ漏らすことで、同盟軍は倍の艦隊を出撃させて来る筈、と目論みます。そこへ、ラインハルト陣営のロイエンタール、ミッターマイヤー、メックリンガーを始めとする主だった者たちの異動。彼らの代わりに宛てがわれた提督たちは、足手纏いになりこそすれ役には立ちそうにもない者ばかり。しかし、ラインハルトは言います。「キルヒアイスが異動させられなかったからな。お前さえいてくれたらそれでいい。負けはしない。この宇宙を手に入れるまでは」
同じ頃、ヤン・ウェンリーも自由惑星同盟に帰還していて、親友のラップがジェシカに結婚を申し込む、という事態に出くわします。密かにジェシカに思いを寄せていたヤンは、動揺しながらも二人を祝福します。ラップがジェシカにプロポーズして、O.Kを貰い、レストランで飲み、ダンスを踊るシーンまで、台詞らしい台詞は出て来ません。代わりに、ヤンの気持ちを表すかのような音楽が舞台の進行を務めます。ダンスを踊りながら泣き伏してしまったジェシカをそっと抱き締めるヤンの姿は、恋心を持つ大人の切なさに溢れていて、見ている方も心切なくなるシーンです。
あくる日、二日酔いのヤンの元へ出撃命令が届きます。3倍は無理だが2倍の艦隊で、と。

ここまでが物語前半となりますが、ヤンとラインハルトの母国への帰還というシーンから始まった前半のストーリーは、それぞれの国に於ける人間関係やそれを取り巻く背景を見せる、というものであったようです。
『銀河英雄伝説』は、戦争を無くしては語れないストーリーです。はっきりと言えば、戦争が中心となったストーリーです。戦略、戦術を練る指揮官たちの指令の元に宇宙を駆ける何万隻という艦隊は錚々たるシーンで、思わず肩に力の入ってしまうシーンでありますが、しかしそれ以上に、戦争シーン以外の『銀英伝』の魅力というものが随所に鏤められており、戦争を行うのは人間であり、一つの戦争に向かうそれぞれの陣営にそれぞれのドラマがある、ということを常々語っています。
この前半のストーリー。特に互いの母国へ帰還するという切り口は、そういった人間的シーンをより効果的に見せる手段であったように思います。
そして、この前半のストーリーを踏まえて「アスターテ会戦」は始まります。貴族達の陰謀により不利な条件で戦わざるをえなくなったラインハルトの立場。それを補佐するキルヒアイスの洞察力。婚約したばかりのジェシカと離れて戦場に向かうラップの人生。そんなラップとジェシカを見守るヤンの心情と知略・・・。
これらの思いを内包して、物語は後半へと進みます・・・。
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