さほど期待していなかっただけに、思わぬ拾い物といえる。ＴＶシリーズからの映画化ということになるが、予備知識なしでも充分。
先ず主役の２人が魅力的である。
メル・ギブソンにとっては守備範囲、というよりも得意とする役どころだから当然とも言えるけれども、意外だったのはジョディ・フォスター。コメディエンヌとしての印象はなかったのだが、本作では実に活き活きしている。そのノリの良さは、例えるならば実写版『ルパン三世』。『ハドソン・ホーク』なんぞよりも、こちらの方がよほど雰囲気である。
難点を言えば、前半が回想で描かれる点で、冒頭のシーンとリンクするのは一時間ほど過ぎてから。ストーリー展開としてはちょっとわかりづらい面があるが、元々ストーリーを追うタイプの映画でもなく、そうこうしているうちに、終盤２０分は三転四転のドンデン返しが続くので、あまり気にならなくなる。
そんな中で、ＴＶシリーズでの元祖＜マーヴェリック＞役だったジェームズ・ガーナーが、文字通り「元祖」を演じている（？）ことがわかるあたり、実はこの作品はリメイクではなく続編なのかな、と匂わせる部分もあって最後までニヤリとさせられる。　このトリオでもう一本くらい作って欲しいものだが。

　　　　　　　　　　　　　　（1994/9/10　池袋東急）

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製作：ブルース・デイヴィー、リチャード・ドナー
脚本：ウィリアム・ゴールドマン
原作：ロイ・ハギンズ
音楽：ランディ・ニューマン
監督：リチャード・ドナー

メル・ギブソン／ジョディ・フォスター／ジェームズ・ガーナー
グラハム・グリーン／アルフレッド・モリナ／ジェームズ・コバーン

1994年

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