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「銀河英雄伝説/我が征くは星の大海」
投稿日 : 2001/10/05 00:09
投稿者 久保田r
参照先
原作:田中芳樹
監督:石黒昇
脚本:首藤剛志
キャラクターデザイン・作画監督:奥田万つ里
メカニックデザイン:加藤直之・スタジオぬえ
<CAST>
●銀河帝国
ラインハルト:堀川亮、キルヒアイス:広中雅志、ミッターマイヤー:森功至、ロイエンタール:若本規夫、ミュッケンベルガー:柴田秀勝、フレーゲル:二又一成、メックリンガー:戸谷公次、シュタインメッツ:石丸博也、オーベルシュタイン:塩沢兼人、トニオ:小林通孝、クルト:屋良有作
●自由惑星同盟
ヤン:富山敬、アッテンボロー:井上和彦、パエッタ:徳丸完、ロボス:大木民夫、グリーンヒル:政宗一成、ニルソン:大林隆介、ポプラン:古川登志夫、コーネフ:鈴置洋孝、トリューニヒト:石塚運昇

ルイ:菊池正美、ウィン:堀内賢雄、ゲッツ:平野正人、アナウンサー:江森浩子、ビジョン:中野聖子、田中和実 ナレーション:屋良有作
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わが往くは星の大海
投稿日 : 2001/11/08 23:46
投稿者 Excalibur
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田中芳樹のベストセラー小説初の映像化。TVシリーズ化を前提に企画され、そのプロモーションを兼ねて作られたビデオ用作品だったが、結果的には劇場公開へと昇格。『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』と比較されて論ぜられることが多く、確か劇場公開やビデオ発売時の謳い文句は”『宇宙戦艦ヤマト』に続く壮大な規模で描かれる宇宙興亡史”というようなものだったと記憶している。
残念ながら劇場では見る機会がなく、ビデオ・リリースされてから程なくして鑑賞。何処もレンタル中で、何日も何軒も足を運んで、やっと借りることが出来たことを思い出す。この時点では原作は興味は持っていたもののまだ読んではおらず、予備知識も殆ど持ち合わせてはいなかったので、『銀英伝』とのファースト・コンタクトはこの作品ということになった。

ストーリーは敢えて外伝に材をとって構成。これは正解だったろう。数多くのキャラクターがひしめき合う『銀英伝』の中で、主要なキャラクターの多数が顔を揃え尚且つその立場を明確に表している部分を抽出しているので、パイロット版としては理想的な作り。これにより予備知識無しでもすんなりと物語世界に遊ぶことが出来た。なまじ本編を直接映像化したならば、60分という限られた時間内ではとても消化し切れなかっただろう。また脚本作りもしっかりとしており、60分を短くも長くも感じさせない充実ぶり。作画のレベルも高く、久々に本格的な宇宙を舞台にしたSFアニメを堪能することが出来た。その意味では『ヤマト』『ガンダム』の後継者という扱いも、まんざら的外れではない。
その一方で人間ドラマになりすぎているが故に、アニメーションとしての楽しさ、絵で観る面白さというものが欠けているのが惜しまれる。セリフがメインで、大きなアクションもない。絵は勿論綺麗なのだが、綺麗過ぎてリアリティというか重量感が感じられないのが残念で、むしろアニメではなくライブ・アクション作品であったのならば、個々のキャラクターの息遣いまでをも感じ取れたのかもしれないとも思う。それで『銀英伝』という作品の映像化として相応しい作品に仕上がるかというと、ファンからの反応は厳しいものだっただろうが、一つの選択肢として考えてみてもいいだろう。

この作品で特筆すべきはBGMである。全てクラシックの既成曲を用いているのだが、これが抜群の効果をあげている。正直言って後のシリーズ化作品では、無理に曲を画面に合わせようしていると感じることもあるだが、少なくともこの段階ではそれはない。よくこの曲に合わせた場面を構成したな、また、よくこのシーンに合う曲を選んだものだな、と感心する次第である。そして今作品の白眉、<第四次ティアマト会戦>シーンに流れるラベルの「ボレロ」に関しては、SEも抑え、音楽を聴かせるように努力した演出自体がなかなか新鮮であった。

結果的にこの作品はファンに受け入れられることとなり、また多くの新規ファンを開拓するに至った(当然私もその一人であるが)。既にアニメ・ブームは過去のものとなり、ファンの価値観も多様化したために、かつての『ヤマト』や『ガンダム』といった特定作品に人気が集中し社会現象化するということはなかなか起こりにくい時代になってしまっていただけに、過少評価されている作品だと思うのだが、シリーズ化にあたって打ち出した新機軸をはじめ、エポック・メーキング的作品だったことは認めてもよいだろう。
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音楽
投稿日 : 2001/10/05 00:10
投稿者 久保田r
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この映画を初めて見たのは、かれこれ8年ほど前になりましょうか。原作が小説であるということは知っていましたが、一度も読んだことはありませんで、それでも凄い人気作品であるということだけは知っていましたので、とりあえず見てみましょうということで見てみました。そんな状態で見た感想はと言いますと・・・。
実に衝撃的でした!。何もかもが私の好みのツボを押さえてありましたので、”これ以上踏み込んだら大変なことになる〜〜”と、 逆に自分自身に警告を発しました(笑)。私はそれまでに「宇宙戦艦ヤマト」にハマって大変な時間をかけていましたので、ここでまた何かの作品にハマったら大変なことになる〜〜、と、怯えたのです・・・。事実、この作品を見てからの数年間は、見なかった振りをしていまして・・・(^^;)。しかし、今では素直に「銀河英雄伝説」にハマる決意をしていますので(笑)、この作品の良さを何度もビデオで見ては堪能しています。
何もかもが私の好みのツボを押さえている当映画なのですが、特に気に入っていますのは音楽です。全編を通して起用されているクラシック音楽が見事に絵とマッチしていて、私はそれまでにない感動をこの作品で覚えました。絵に合わせて音楽が作られている感じではなくて、音楽に合わせて絵が動いているといった感じの描写は、とても新鮮で絵と音楽の一体感を感じます。
ショパンのノクターンに合わせて現れるブリュンヒルト。白鳥の湖に乗ってイゼルローンへ入港するシーンは、原作者の田中芳樹先生も「綺麗だった」と仰っていらっしゃいます。そして、何よりも忘れてならないのが、第四次ティアマト会戦で流れたラヴェルのボレロです。
延々と同じフレーズが繰り返されるこの曲は、クライマックスに向けて音の強さが増して行く曲となっています。始めの音の弱い部分では砲火が交わされる前の緊張感を浮き彫りにし、終盤全ての楽器の音が強くなるクライマックスでは交戦状態の激しさを物語り、この戦場に於いて誰が賢者であるかを示しています。
作品の壮大さ、艦艇数の多さ、登場人物の多さ、そのどれもがスケールの大きい「銀英伝」でありますが、画面のサイズに入り切らない部分のスケールの広がりを、クラシック音楽が表現しているように思います。
ラインハルトとヤンが初めてお互いを意識することになった戦いが収められた作品です。「銀英伝」の歴史の1ページをぜひご覧下さい───。
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