「パトリオット・ゲーム」
投稿日 | : 2002/01/14 19:59 |
投稿者 | : Excalibur |
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CIAアナリストの職を辞し米海軍兵学校の教官となっていたジャック・ライアンは、仕事を兼ねた休暇旅行でロンドンを訪れていた。だがそこで、英王室の一員ホームズ卿襲撃事件に巻き込まれる。家族を守る為に襲撃犯と戦ったライアンはホームズ卿を助け、一躍英雄に。だが今度は弟を殺されたテロリストの一人が、ライアンを執拗に付狙うことになる。
『レッド・オクトーバーを追え!』に続いてジャック・ライアンを主人公にしたシリーズ第2弾で、ライアンは前作以降CIAから離れているという設定。アレック・ボールドウィンからハリソン・フォードへ役者が交代したこともあって嫌でも前作との時間経過を意識せざるを得ないが、原作である『愛国者のゲーム』は作品としては2作目ではあるが、実は『レッド・オクトーバーを追え』の前日談。今回の事件に遭遇したライアンがグリーア提督のスカウトによってCIAへ入局するといういわばシリーズの発端編なのだが、映画ではCIAへ復職するというように改められている。もっとも当初からこの作品を続編として製作する予定だったようで、この物語のラストで誕生するライアンの二人目の子供が前作には登場していない。また続編といってもストーリー上の引きは特になく、ジェームズ・アール・ジョーンズが前作同様にグリーア提督役で出演しているに留まる。主演俳優が代り、監督が代り、音楽担当者も代り、となればシリーズ物としての連続性も感じられないのは致し方ない。
それにしても、かなりアクションを前面に押し出した映画になってしまった、という印象が強い。特に『ケープ・フィアー』を彷彿とさせるクライマックスのボート・チェイスなど、些かやり過ぎの感も。ライアンは決して肉体派ヒーローではあり得ないのだが、これでは従来のハリソン・フォードのキャラクターの延長線上と受け取れてしまう。男と男の一対一の対決を見せることに主眼を置いている以上、この改変は仕方がないのかもしれないが、これでは原作の良さは失われてしまっている。
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