「美少年の恋」
投稿日 | : 2002/05/21 23:19 |
投稿者 | : 久保田r |
参照先 | : |
1998年香港映画 1時間40分
<ストーリー>
ジェットは、ある日画廊で運命の恋人・サムに出会う。サムともう一度会いたいと願っていたジェットは、偶然街角で警官姿のサムと再会する。サムの両親とも仲良くなり、サムに対して幸せな恋心を抱くジェット。だが、二人の恋は一線を越えぬまま。サムの過去。ジェットの一途な気持ち。二人の愛の行方は・・・。
許容
投稿日 | : 2002/05/21 23:20 |
投稿者 | : 久保田r |
参照先 | : |
なんとも分かりやすいタイトルだな…と思い、もう少し深い意味を込めたタイトルがないものかな…と首をひねり、結局見終えた後に今の印象を言葉にするなら何かな…と考えて、「美少年の恋でした」が感想かな…と思いました。
描かれてあるのは、複雑な恋愛ストーリーで、人には誰しも秘密や過去がある。だが、人の性格というのは、それを乗り越えられる人と乗り越えられない人がいる。という、複雑な人間心理を登場人物の環境や人格を通して、男性の性への欲求を隠さずに絡めながら伝えている作品だと思いました。
冒頭から登場するサラサラヘアの絵に描いたような美少年・ジェットが、主役ということで映画の終わりまで登場しますが、彼が恋する相手、美青年・サムの過去が物語をより濃いものとしていて、複雑な人間関係と切ない悲恋物語を奏で、サムなくしては語ることが出来ないストーリーだと思いました。
登場する男の子たちみんなが美少年、美青年と言える綺麗な顔立ちをした男の子たちばかりですので、全体的に同性同士のツーショットが多いこの作品でも、特別な違和感を感じることなく見ることが出来ました。ただ、彼らの躰目当てのおじさんが登場するシーンでは、妙なコミカルさが表れていて、若干引いてしまう感もありましたが、そのコミカルさが彼らの恋を引き立てる役割を果していましたので、重要な傍役であると思いました。
始めから終わりまで伏線を引きながらそれを解き明かしていくストーリー展開ですので、派手な盛り上がりシーンはなくとも、終わりまで見続けようという気になる作品でした。全体的に詩情的な流れで、サムを見つめるジェットの柔らかな微笑みが、印象的な表情として心に残りました。
ですが、同性を愛することの苦しみを家族という人間関係を通して伝えています。同性を愛してしまう自分を両親への裏切りと感じてしまう生真面目で優しい青年。おそらく彼の両親は受け入れたであろう、と、私は信じます。彼の生涯に涙を…。