「グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦!大海獣」
投稿日 | : 2000/12/17 03:49 |
投稿者 | : Excalibur |
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次は『グレンダイザー対鋼鉄ジーグ』だろうという予想を見事に覆し、『グレンダイザー対グレートマジンガー』という地味な組み合わせになった'76年春の<東映まんがまつり>。
そして「今度こそ」という熱い期待を逆の意味で裏切ったのが、'76夏の正に「まんが」の「まつり」と呼ぶに相応しいこの一本である。
なんといっても主人公が4人!(正確には6人なのだろうが、ゲッターチームは3人組なので1人と勘定) 各番組で主役を張った兜甲児、剣鉄也、宇門大介(デューク=フリード)、流竜馬にそれぞれ見せ場が用意されているのだ。そして可能な限りヒロインや準主役格も顔をそろえている。
序盤はゲッターロボの単独の見せ場。海難事故の調査団がドラゴノザウルスの攻撃を受け、その救出へ向かう。海中戦なだけにゲッターポセイドン登場というのがポイント。
ドラゴノザウルスに対抗してロボット軍団が結成された中盤は、まずボスが狂言回しとして引っ張る。早速ドラゴノザウルスに襲われ、相変らずのお荷物ぶり(?)を披露。そしてボス絡みで出番が多いのは鉄也のグレート・マジンガー。TV版最終回で重症を負ったブランクはまるで感じさせない健在振りが嬉しい。またボスを巡って対立する甲児と鉄也はまるで『グレートマジンガー』最終回を彷彿とさせるし、ダイアナンAがやられた時の甲児のリアクション等々細かい部分でも手抜きが無い。
そして錚々たるスーパーロボット軍団のとどめはゲッタードラゴンの「シャインスパーク!!」
個性豊かな自己主張するキャラの中にあって割を食った感があるのは大介だが、これは唯一の大人のキャラクターだからだろう。新参者のクセに偉そうにしてるとも見えるが、優等生的なまとめ役に徹している。
また、ともすれば会話部分よりも技・武器名の連呼に終始している役者陣ではあるが、これが各人各様の特色を出したものとなっており、耳に快い。投げっぱなし(?)の石丸博也の独特の間、メリハリの効いた野田圭一のカッコ良さ、一世を風靡した神谷明の絶叫(神谷節!)、クールな富山敬の叫びという具合。近年のゲームソフトでも再現されているところではあるが、やはり当時の熱気は感じられない。
耳に快いといえばBGMも『マジンガーZ』『グレートマジンガー』『ゲッターロボ』『グレンダイザー』から選曲されており飽きさせないし、効果音も当然ながらオリジナルであって、音でも各キャラの違いが堪能できる。
惜しむらくは甲児がマジンガーZに搭乗しないこと(せめて最終決戦の時くらいダブルスペイザーから乗り換えて欲しかった)と、デビルマン、ジーグ、キューティーハニーとの競演が没になったこと。特に甲児は『グレンダイザー』登場以降すっかり足手まといになってしまった感があるので、ここは一番ピンチのグレンダイザーを助ける甲児のマジンガーZという絵もぜひ見たかったものである。後はゲッターライガーが登場していればほぼオールスターキャストというところだが、そこまで望むのは欲張り過ぎか。
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