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「宣戦布告」
投稿日 : 2002/10/20 16:13
投稿者 Excalibur
参照先
製作・監督:石侍露堂
原作:麻生 幾
プロデューサー:増田久雄/和田康作
脚本:小松與志子/石侍露堂

古谷一行/杉本哲太/石田太郎/天田利明/鶴田忍
西田健/中田浩二/河原崎建三/小野武彦/夏木マリ
財津一郎/多岐川裕美/岡本富士太/深水三章/木之元亮
塩屋俊/田中実/白島靖代/池内万作/佐藤慶/夏八木勲

2001年
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Re: 「宣戦布告」
投稿日 : 2005/07/20 13:07
投稿者 久保田r
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 自分は痛みを知っている(想像出来る)人間で良かったと思った。この映画を見て強く感じたのは、憤りにも似た情けなさで、殊にゲリラ制圧作戦で次々と自衛隊員たちが撃たれて倒れていくシーンでは、涙が出て来た。私はこのような国に住んでいるのかということが目に見える情報として脳裏に焼き付く映画だった。事態が深刻化して諸外国が即座に軍隊を配備する中、渦中にある日本だけがもたもたとして(どうするんだ。どうするんだ)とこの期に及んでも言っている。有事に弱い国というのが露呈している。

 ゲリラ制圧作戦は、殺されることの凄惨さが描かれていて辛い。作戦開始=火器使用可ではなくて、撃たれてから「手榴弾使用許可の申請」をするという手順があって、上(総理)が決断するまでの間に隊員たちはバタバタと撃たれて倒れていってしまう。これは何という無駄な手順だろう。どうして現場の判断に委ねられないんだろう。どうして総理は「自衛隊を出したのは、これ以上の犠牲者を出さないためじゃなかったのか!」と言うんだろう。上層部はもっともっと現場の危機をリアルに受け止めて、有効的な命令をするべきだと感じた。この映画の見せどころは自衛隊の出動の他に「情報」があって、情報操作、情報戦略も描かれている。真に事態を鎮圧したのはこの「情報」で、情報の有効性と共に「情報の管理」が問われる映画にもなっている。

 配役の妙が作品の世界をより強く構築している。日本の特殊な事情が舞台となっている、日本でなくては描くことの出来ない、戦いがメインの映画だと思った。
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「この国は喧嘩もまともに出来ないのか?!」
投稿日 : 2002/10/20 16:14
投稿者 Excalibur
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敦賀半島沖に座礁した国籍不明の潜水艦。それは北東人民共和国の特殊作戦部隊員を乗せたもので、武装した彼らは既に上陸していることが判明する。だが危機管理能力の欠如した政府は、この未曾有の事態に迅速な対応を取ることが出来ない。警察力だけでは対抗出来ずに遂に自衛隊出動へと踏み切りはするものの、そこにはクリアしなければならない法の規制が山積し、政府が混迷を極めている間にも犠牲者は続出してゆく。そしてこの事態に周辺各国もそれぞれの思惑から軍を動かし始め、それは戦争への道を進み始めていた。
その内容の過激さから防衛庁や自衛隊の協力が得られずに製作が遅々として進まず、また完成したものの一度はお蔵入りになりかけた作品がようやく陽の目を見ることが出来た。しかも日朝間の緊張緩和へ向けて急速に進みつつあるこのタイミングでの公開ということで話題性も抜群である。ただこれはアクション映画として見るより、ある種のブラック・コメディとして捉えた方がより楽しめる。警察と自衛隊の縄張り争い、政府高官同士の対立意識、面子に拘りあくまでもルールを遵守した対応しかとれない官僚たち、未曾有の危機を前にしながらも保守保身に走る政治家たち、そして明らかになる「戦えない軍隊」自衛隊のバカバカしさ(「相手が撃って来た場合に限り反撃出来る」という命令に従い、手向かいもせずに次々と相手の銃火の前にバタバタと撃ち殺されて行く隊員たち!)等々、真面目に描かれているが故の滑稽さが全篇に漂っている。残念ながら映画の出来としては粗削りではあるが、膨大な原作を手際良くまとめ、日本映画にはないスケール感を持ったポリティカル・フィクションを作り上げたという点では多いに評価して良いだろう。

          (2002/10/10 池袋シネマサンシャイン 4番館)
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