「007/ワールド・イズ・ノット・イナフ」
投稿日 | : 2003/02/17 21:36 |
投稿者 | : Excalibur |
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監督:マイケル・アプテッド
製作:マイケル・G・ウィルソン/バーバラ・ブロッコリ
脚本:ニール・パーヴィス/ロバート・ウェイド/ブルース・フィアスティン
音楽:デヴィッド・アーノルド
ピアース・ブロスナン/ソフィー・マルソー/ロバート・カーライル/デニース・リチャーズ
ロビー・コルトレーン/ジュディ・デンチ/デスモンド・リューウェリン/ジョン・クリーズ
マリア・グラツィア・クチノッタ/ゴールディー/セレナ・スコット・トーマス
サマンサ・ボンド/コリン・サーモン
1999年
20世紀最後の任務
投稿日 | : 2003/02/17 21:37 |
投稿者 | : Excalibur |
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007”20世紀最後の任務”は、ヨーロッパの生命線・石油パイプラインを巡るテロリストとの戦い。シリーズ最長かと思われるプレ・シークエンスは、これだけでもお釣りがくるくらいの一大見せ場。これが3作目となるブロスナンも、軽さがなくなった分渋みが増えて余裕綽々。そして今回出色なのはキーパーソンとなる石油王の娘エレクトラを演じるソフィー・マルソーだろう。歴代のボンド・アクトレスの中では最もメジャーな女優の出演だろうが、流石の貫禄。かなり曖昧なキャラではあるものの、彼女の存在感ゆえに魅力的だ。ブロスナンもかなり”主演クラスのスター”としての耀きを増してきたと思うが、ソフィー・マルソーの前ではそれも霞んでしまう。もう一人のボンド・アクトレスであるデニス・リチャーズは、核兵器の専門家にはまるで見えないが、そこはそれお約束通りの定番”ボンド・ガール”の役回りをきちんとこなしてバランスを保っている。
ただ、対するロバート・カーライルのサイコなテロリストというよりも哀れな人物という面が強調されすぎたキャラクターはシリーズ独特のケレンミには欠け、人間ドラマに重点をおいた為かボンド自身の価値観や考え方が揺さぶられ、更にMまでもが危機に陥るという展開は、シリーズの持ち味でもあるウィットやユーモアに欠ける嫌いがある。爽快感に乏しいラストも賛否両論あるだろう。
それに輪をかけたのが、長年に渡りムードメーカーのQ役を演じてきたデスモンド・リューウェリンが本作完成後に急逝したこと。作品中にも引退を匂わせる科白があるが、これが現実となってしまったことで退場シーンが必要以上に重いシーンとなってしまった。