「コンゴ」
投稿日 | : 2003/03/09 19:24 |
投稿者 | : Excalibur |
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原作はマイクル・クライトンの『失われた黄金都市』、秘境を舞台にハイテクを駆使したアドベンチャーである。
元々は遡ること10年以上前に本人の手で映画化が進行し、スティーブン・スピルバーグ製作/ブライアン・デ・パルマ監督のコンビで暖められ、その後はストーリー作りで難航していた<インディ・ジョーンズ>三作目へのリライトをクライトン自身が打診していたものの、オリジナルに拘ったジョージ・ルーカスが拒否したという経緯もあったらしい。結局はスピルバーグ一派のフランク・マーシャルが映画化を実現させた。
それにしてもこの出来映えは一体どうしてしまったのだろうか。見ていて物語が全く追えないという不安感にとらわれてしまった。大筋は原作に順じているにもかかわらず、である。それはポイントが完全にずれまくっているからだ。原作にはないアフリカの政情問題なんぞに時間を割くくらいなら、手話で意思の疎通をはかるゴリラのエイミーを描くべきだ。何から何まで原作通りに作るのがベストだとは思わないが、本作のキモはそこにあるはず。残ったのは、あれだけ面白い小説が、どうしてこんなにつまらない映画に?!という恨みだけ。サスペンスを盛り上げるためのノー・スター映画――誰が最後まで生き残るかわからない――という試みは面白いのだが・・・。
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