「陰陽師U」
投稿日 | : 2003/10/04 22:16 |
投稿者 | : Excalibur |
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短いいくつかのエピソードを組み立てて長編化した前作とは違って、今回は初めからオリジナル・ストーリーを考案、一本の映画としては非常に見やすくなった。ただし日本神話を大胆に取り入れた筋立てはやや大風呂敷を広げ過ぎの感もあり、アマテラスやスサノオが相手ではいかに安倍晴明といえども些か荷が勝ち過ぎか。天岩戸が出てくるあたりからは物語展開とは裏腹に、美術設定を含めた画面作りに矮小さが際立ってしまうのも難点。原作の淡々とした味わいが好きな方には、お奨めしかねる。
今回が2作目となる萬齋=晴明は流石の貫禄を見せる。個人的にはこのキャスティング、納得しているわけではないのだが、もはや彼抜きに映画は成り立たないだろう。コンビを組む博雅=伊藤英明の方は既に別人。すっかりコメディ・パート担当で原作の面影は微塵もない。ただ映画のバランスを考えるならば悪いとも言えないが。
対する敵役だが、前作の道尊(真田広之)は事実上ラスボス(=最後の大ボス)の位置付けにあり、しかも芝居どころの多いキャラクターで堂々たる悪役ぶりを見せていたが、今回の幻角(中井貴一)は役柄そのものに深みがないため損をしている部分も多く、また押し出しの弱さも気になり、真田広之の存在感には及ばなかった。
意外な好演を見せていたのは男勝りの姫君という設定の深田恭子で、最後に見せる「神々しい姿」には気品が足りないものの、チラっと見せる色っぽさも含めてなかなかにチャーミング。本格的な時代劇は初挑戦とのことだが、案外このジャンルでもいけるかも、と思わせた。
製作サイドは3作目も模索しているようだが、はたして興行的にはどうだろうか。実現してくれれば嬉しいし、そろそろ蘆屋道満も出して欲しい。実は前作の道尊は原案では道満だったし、今回もプロット段階では道満が出ていたのだが。そして敵役だが真田広之、中井貴一と来ると次は佐藤浩市あたりか。
Re: 「陰陽師U」
投稿日 | : 2003/10/06 23:06 |
投稿者 | : みずよ |
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原作は読んだことがないのですが、前作を以前にテレビ放映されていたのを見ていて、セイメイの変人ぶりがなかなか好きだったので2を見にいってみました。
晴明の名を、漢字でなくカタカナで書きたくなるのは、時代の重厚さが感じられなかったからです。
どうも舞台装置や空の様子がちゃちっぽい。ハズレだったかな?と思いつつ見はじめましたが、見終わってみれば何のことはないセイメイLOVEになってる私。
地方の映画館のせいか、公開2日目のレイトショーでしたが、お客は少なかったです。
以下、ネタバレ感想です。ご注意を。
これは「セイメイに女装をさせたいがために作られた映画」と言って過言ではないでしょう。
ノドボトケさえ見えなければキツネ目の美しい女性でした。
見た目は女性なのに、話すとしっかり男性の声で、そのギャップがまたツボでした。
神話の世界へ挑むセイメイが、ヒロマサを置いていかなかったのが救い。
あの場面でかたくなにヒロマサに「来るな」と言っていれば二人の関係はあやしすぎだったのですが、そのへん割とあっさりと楽士と舞子としてコンビを組んでくれて良かったです。
その後、ヒロマサがあまりにも無防備にセイメイの身を案じていたのだと話すシーンでは、ひゃああああ!そんなこと言うヤツがあるかい!あほヒロマサ!と思いましたが、まあセイメイにもその気はないようでよかったです。
でも、ヒロマサは早くちゃんとした女性と所帯を持ったほうがいいぞ。と強く思いました。
でないといつまでもセイメイの酒の相手をさせられるぞ。
それでも、エンドロールの美しい舞に、ちょっと満足。
不満だったCGや、鬼のデザインや、都つぶすなら巨大化しなくっちゃ!とかいう思いはどっか飛んでってしまいました。
さっぴいてチャラです!
最後に、女性陣について。
ミツムシというのはセイメイの分身的存在であると思うのですが、イマイチ存在感がなかったし、抱えていた花が、造花にしか見えなかったのでイヤでした。
今回のヒロイン、ヒミコは腕をまくるだけじゃイカンかったのかなあ。
しつこいセイメイのささやきシーンは見てるこっちが恥かしい。
でもこれファンサービスなんだろな。
作品データ