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「旅の贈りもの 0:00発」
投稿日 : 2008/11/18 17:41
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:原田昌樹
プロデューサー:竹山昌利、飯島茂、小久保利己
エグゼクティブプロデューサー:高橋匠
企画:竹山昌利
原案:竹山昌利
脚本:篠原高志
音楽:浅倉大介
主題歌:「いい日旅立ち」中森明菜
挿入歌:「Happiness」徳永英明

<出演>
櫻井淳子/多岐川華子/徳永英明/大平シロー/大滝秀治/黒坂真美/樫山文枝/梅津栄/石丸謙二郎/石坂ミキ/小倉智昭/細川俊之/正司歌江、他

<ストーリー>
大阪駅0:00発。深夜発の行き先不明の列車に大勢の客に混じって男女5人のワケありの客が乗り込む。夜通し走った列車は、「風町駅」に到着した。

2006年 パンドラ 公式サイトhttp://www.tabi-000.jp/
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Re: 「旅の贈りもの 0:00発」
投稿日 : 2008/11/18 17:43
投稿者 久保田r
参照先
 大阪駅0:00発の行き先不明の列車に行きずりのような形で乗り込んだワケあり男女5人の旅のドラマを描いた作品。空港で彼と別れた女性、妻に先立たれた男性、リストラされた男性、自殺願望のある女性、シンデレラになりたかった女性…バラバラだった彼らの心が旅の終わりに一つになる。

 「ハートフル」という言葉が、この作品のキャッチコピーのようなのだけれども、ハートフルという言葉からイメージする心がふんわりとしてほっこり温かく満たされるような内容かというとまたちょっと違う気のする作品。ハートフルっぽい雰囲気はあるけれども、どちらかというとメッセージ性が色濃いし、また作り手のロマンチシズムやセンチメンタリズムといったものが随所で感じられるので、言葉は悪いけれどもどっちつかずの作品というところが正直な感想。

 一応この作品の主役というか、この作品の内容を分かりやすくして総合的に導いているのが、櫻井淳子さんが演じる由香。キャリアウーマンで、年下の彼とハワイへ旅行へ行く予定だったが、待ち合わせた空港で彼が別の女性とキスをしているのを目撃し、咄嗟にその場を逃げ出してこの列車に乗る。風町で”ちょんちょ先生”と出会い、のんびりと周りを見ることを教えられ、次第に肩の力が抜けていく──。という具合のありがちといえばありがちの人物設定なのだけれど、このありがちをこの作品のものとして演じるのは、演技の上手い人でなければ他の登場人物のドラマをも引っ括めて引っ張っていくことはできないので、見事この作品がバラけずに一つの作品として成り立ったのは、由香を演じた櫻井淳子さんの演技力があってこそだと思う。

 この作品にメッセージ性があるように思うのは、多岐川華子さんが演じた華子の存在で、華子は、「私は一人」という絶望感を強く抱いていて、自殺願望があり、自殺サイトで知り合った仲間と集団自殺しようとしたが、待ち合わせに遅れたためにその仲間と会えず運命的にこの列車に乗る。華子は、風町に着いてからもしばらくは不機嫌な顔をして誰とも打ち解けようとしないが、風町に住む少年に逆上がりを教えているうちに「必要とされること」の意味に気付き、死のうと考えていたことをやめるようになる。

 この「必要とされること」が、作中の山場となっていて、海に面した崖っぷちで交わされる会話のシーンでは、みんなそれぞれにワケを持っている人たちが「必要とされること」を懸命に言葉にしていて、刹那的に生きている現代の若者たちや子供たちに見せたいような内容のシーンとなっていた。

 全体的にシーンのシチュエーションや台詞などがありがちな感じで展開していくので、娯楽映画というよりも学校などで子供たちに見せたいような雰囲気がある。殊更、教育を意識した作りの映画ではないけれども、「必要とされること」や、世の中には色々なワケを抱えている人がいるということや、田舎の良さや地元の人との交流、行き先不明の旅のロマンなどが描かれているので、人生勉強のような感じで子供と一緒に見ることのできる作品ではないかと思う。

 追伸。
 車掌役に石丸謙二郎さんがご出演。石丸謙二郎さんといえば、「仮面ライダー電王」でもデンライナーのオーナーという車掌さんのような役どころを演じていたので、鉄道ものには石丸さんは欠かせない存在なんだな…と実感。
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