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「イノセンス」
投稿日 : 2004/03/15 23:10
投稿者 みずよ
参照先
映画がはじまり、しばらくすると座席のどこからか軽いイビキが聞こえてきます。
おい!コラ!!誰だ寝てる奴ぁ!!!

けれど仕方ないのです。
登場人物たちがなにかの文を引用したり、漢文が画面に現れるたびに、観客の前にはバカの壁が立ち上がるのです。
どんどん思考が閉ざされて結果、眠くなるのです。
そんで、ぼーっと画面を見ていると話の筋がわからなくなってきます。

どこらへんがわかりにくいかと言うと、原作にある「ロボットが暴走する話」に"少佐"をムリヤリ絡めている点と、セリフでは"少佐"のことを少し説明していますが、回想するようなシーンがないので"少佐"自体がなんであるかよく伝わらない点。
それから全編を通して、バトーが自閉的で変なところ。
犬なんて飼ってるし、なんで飼いはじめたか説明ないし、やたらと文章を引用するし、そのわりにセリフに説得力がないし、守護天使がどーのって言いはじめるし。人間なんだったらもっとちゃんと言葉で伝えてくれよ!!と。

その反動か、エンディングで流れる主題歌には泣かされました。
英語の歌詞なんですが、画面の右側に縦書きで日本語訳が出たんですよ。
メロディーだけでも切ないのに、この日本語訳は泣けました。
誰もそんな願いを口にしなかったじゃないか!
最後の最後でそんな歌詞を並べ立てるなんてアリかよ!ずるいよ監督!!って思いました。

人物のセリフの中に叙情性は見当たりません。が、映像的には非常に美しかったです。
映画はここまでリアルに空想の映像に命を吹き込むことが出来るようになったのかと驚かされます。
建物の構造や飛行機の造形、祭りの風景…どれもわぁあ!って思うような絵でした。

「GHOST IN THE SHELL」から3年後の物語。
やたらと格言じみた漢字が出てくるところは説教臭さを感じますが、表現としては違うのだけれど原作の特徴である情報量の多さを反映しているように思えたので、それほど嫌ではなかったです。

今回の映画は、登場人物への感情移入を拒むような作りになっています。
眠ってしまう前にオープニングだけでも見て感動しておきましょう!(笑)
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