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「リバー・ランズ・スルー・イット」
投稿日 : 2009/05/15 18:06
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:ロバート・レッドフォード
製作:ロバート・レッドフォード、パトリック・マーキー
製作総指揮:ジェイク・エバーツ
原作:ノーマン・マクリーン
脚本:リチャード・フリーデンバーグ
撮影:フィリップ・ルースロ
美術:ウォルター・P・マーティシャス
音楽:マーク・アイシャム
ナレーション:ロバート・レッドフォード

<キャスト>
ポール:ブラッド・ピット/ノーマン:クレイグ・シェイファー/マクリーン牧師:トム・スケリット/マクリーン夫人:ブレンダ・ブレシン/ジェシー:エミリー・ロイド/ニール:スティーヴン・シェレン/メイベル:ニコール・バーデット/若き日のポール:ヴァン・グラヴェイジ/若き日のノーマン:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/チャブ:マイケル・カドリッツ、他

<ストーリー>
ノーマンとポールは、幼い頃に父からフライ・フィッシングを教わった。やがて成長した兄のノーマンは遠く離れた大学へと進学したが、弟のポールは地元の大学へ通い地元の新聞社に勤めた。大学卒業後に帰郷したノーマンは、ジェシーに恋をする。

1992年 アメリカ
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Re: 「リバー・ランズ・スルー・イット」
投稿日 : 2009/05/15 18:10
投稿者 久保田r
参照先
 アメリカはモンタナ州にあるミズーラという大自然に囲まれた田舎町に暮らすマクリーン兄弟の生涯を綴った映画。牧師の父を持ち、勉強と釣りを父から教わり、共に育った兄弟は、兄のノーマンの大学進学を機に離れて暮らすようになる。6年間の大学生活後に帰郷したノーマンは、両親と共に暮らし始めるが、弟のポールはなかなか家に帰って来ようとしない。地元の新聞局に勤めているポールは、”ロロ”と呼ばれる賭博場に入り浸るようになっていた。

 この映画の内容を簡潔に説明するなら「マクリーン兄弟の生涯」の一言になるが、このマクリーン兄弟を取り囲む自然環境や家族環境や地域環境には、全体に懐かしい空気と雰囲気が漂っていて、アメリカのとある片田舎が舞台になっているとはいえ、国境など関係なしに人が自然と共に暮らしていた頃への回帰のような気分が味わえる心地の良い作品。穏やかで落ち着いた語りのナレーションに導かれ、二人の青年の生い立ちと青春が、川の流れと釣りになぞらえてゆったりとした心持ちで描写されている。

 牧師をしている厳格な父と、家庭的な母と、優等生の兄と、自由な精神の持ち主の弟という、一見一般的に見える家族構成が映画の中で良いバランスを持って立場ごとに描かれていて、優等生の兄には真似できないような危ういものへと惹かれていく弟の行動に引っ張られながら、それぞれの道を歩む家族の人生が描かれている。父から教わった釣りが親子の共通の趣味。弟のポールは、釣りのプロになりたいと言うほど抜群のセンスを持っていて、その姿は芸術的なまでに磨かれていた。ポールが、一緒にシカゴに行こうと言う兄の誘いを断り、生地を離れようとしなかったのは、幼い頃から慣れ親しんだ地元の川を愛し、釣りを愛していたからかも知れない。

 兄の弟への思い、弟の兄への思い、両親への思い、家族への思いが込められているこの作品は、家族の有り様が映し出されていて、自然なほどにすんなりと伝わって来る。ハラハラドキドキとするような刺激的な展開はないが、次にどんな人生の転機が訪れるのか目の離すことのできない丁寧な作りは、いつの間にか引き込む魅力を持っている。大自然の中を流れる川の景色が美しく、そして、その川の中に入って優雅に釣り糸を飛ばすシーンが美しく、一度見ると忘れられないほどに自然と川と釣りへの敬愛が感じられる作品。アカデミー撮影賞受賞。
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