「アンドロメダ・・・」
投稿日 | : 2004/06/11 22:24 |
投稿者 | : Excalibur |
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製作・監督:ロバート・ワイズ
原作:マイケル・クライトン
脚本:ネルソン・ギディング
音楽:ギル・メレ
アーサー・ヒル/デヴィッド・ウェイン/ジェームズ・オルソン/ケイト・リード
ポーラ・ケリー/ジョージ・ミッチェル/ラモン・ビエリ/リチャード・オブライエン
エリック・クリスマス/ピーター・ホッブス/ケン・スウォフォード/フランシス・リード/リチャード・ブル
1971年
戦慄の五日間
投稿日 | : 2004/06/11 22:26 |
投稿者 | : Excalibur |
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墜落した人工衛星に付着していた未知の生命体により、アリゾナ州の小さな田舎町の住人たちは謎の死を遂げ、軍の衛星回収班も同じ運命を辿った。ただ胃潰瘍の老人と泣き続ける赤ん坊を除いて。この未曾有の事態に対処すべく、今日あるを予期して組織されたプロジェクト・チームのメンバーが招集された。
主な登場人物は4人の科学者と医師、その助手たち、それに事件の鍵を握る2人の生存者のみ。舞台は地下に建設された秘密の研究施設にほぼ限定された異色のSF映画。原作はマイクル・クライトンの『アンドロメダ病原体』で、主役4人の名前や性別(1人だけ女性に)、役廻りを微妙に変えながらも、概ね忠実にスクリーンに移し変えた。良し悪しは兎も角、各キャラクターが原作よりも人間くさくなってはいる。
地味なキャスト陣だが、研究施設へ入るための「消毒」手続きや、回収した衛星の付着物を研究するプロセスを省略せずにタップリと見せるなど、ディティールとリアリズムにこだわったドキュメンタリー・タッチが効果的。音楽も殆どが効果音的な使われ方で、かなり無機的な印象も与えている。
重要な小道具であるコンピューターの描写には時代の流れを感じさせられるが、当時としてはかなり斬新なはず。というよりもクライトンの発想に、ようやく時代が追いついたということなのだろう。
未知の生命体の核心に迫るクライマックスと、作動してしまった研究施設の自爆装置を解除するタイム・サスペンスは映画ならではのもので、小説を読む分には今一つ伝わりきらない緊迫感が正攻法で描写されている。
ただし相対的に知的好奇心(特に理数系の)に訴えかける内容なので、ディティールの積み重ねに対して集中力が持続しない人には辛い映画かも知れない。オリジナルは130分。これを長いと感じるか適当と取るか評価は分かれるだろう。クライトン作品の情報量を消化するにはこれでもまだ足りないくらいなのだが、個人的にはTVの映画枠(正味90分程度)で見たヴァージョンの方が面白く感じられた(余談だが、家弓家正、真木恭介、中西妙子、中田浩二、島宇志夫、勝田久、八奈見乗児、塩見竜介、鈴木弘子ら吹替えメンバーの好演もその一助だ)。
『アウトブレイク』などの作品を例に挙げるまでもなく、未知の病原体を扱った細菌パニック物とでも言うべきジャンルは、充分今日的な題材。現在のテクノロジーでリメイクしてみても面白いかも知れない。