「コラテラル」
投稿日 | : 2005/10/28 14:39 |
投稿者 | : 久保田r |
参照先 | : |
<スタッフ>
監督・プロデューサー:マイケル・マン
脚本:スチュアート・ビーティー
製作総指揮:フランク・ダラポン
撮影監督:ディオン・ビープ、ポール・キャメロン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
<出演>
トム・クルーズ/ジェイミー・フォックス/ジェイダ・ビンケット=スミス/マーク・ラファロ、他
2004年
Re: 「コラテラル」
投稿日 | : 2005/10/28 14:40 |
投稿者 | : 久保田r |
参照先 | : |
微妙に大人の雰囲気の映画。音楽はクールだし、ロスの夜景は綺麗だし、カメラワークも演出もかっこいい。音を消して流しているだけでもオシャレな映画。しかし、音を消すと効果の半分を失ってしまうので、音楽も耳に入れたい。
映画の中で描かれているのは、とある殺し屋の一晩の出来事で、一晩のうちに5人を殺すことを請け負った殺し屋、ヴィンセントが足として拾ったタクシーの運転手、マックスと行動を共にするという内容が描かれている。
トム・クルーズが演ずる殺し屋、ヴィンセントは、クールな殺し屋。感情を表に出さず、淡々と仕事をこなす。一方、ジェイミー・フォックスが演じるタクシードライバーのマックスは、温かな人間味を失わない人情に厚い人物。この二人が偶然出会ったことで、運命が大きく変わる。
ロスという大きな街で起こる殺人事件。殺し屋、ヴィンセントは、”人間なんて広大な宇宙に生まれた砂粒にしか過ぎない”という価値観の持ち主で、人情に厚いタクシードライバー、マックスは、その考えとは正反対。二人は、相容れない。作中、ヴィンセントから逃れようとするマックスの行動は、一見正当な反応の行動なのだが、どことなく”それでいいのか?”という雰囲気がこの映画にはある。殺し屋を演じているトム・クルーズの醸し出すイメージのせいかも知れない。
「コラテラル」とは、「巻き添え」という意味で、善良なタクシードライバーが巻き添えを喰った感のある映画だが、ある意味ヴィンセントもマックスと出会ったことで予想外の巻き添えを喰らわされた映画でもあると思った。人との出会いの一期一会。これが描かれている映画だと思った。
キャストの妙が良い。これまでのイメージを払拭するかのようなトム・クルーズの役どころがこの映画の最大の隠し味。だが、彼自身の持つこれまでのオーラは決して払拭されてはいない。それがトム・クルーズの持つ良さであり、そこに目を付けたマイケル・マン監督の目の良さだと思う。どうしても人が好さそうに見えてしまう殺し屋。それがこの映画の持つ微妙な大人の雰囲気だと感じた。
タクシーの中のシーンでは、静かなセンスの良い音楽が流れている。音楽と映像とキャストの融和。大人且つ洒落っ気を醸し出している作品。