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「パープル・バタフライ」
投稿日 : 2009/10/05 17:33
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:ロウ・イエ
製作:ロウ・イエ、ワン・ウェイ、チョウ・ヨントゥ
製作総指揮:ヴァンサン・マルヴァル、ジャン=ルイ・ピエール
脚本:ロウ・イエ

<キャスト>
シンシア:チャン・ツィイー/伊丹:仲村トオル/スードゥー:リウ・イエ/シェ・ミン:フェン・ヤンチャン/イーリン:リー・ビンビン、他

<ストーリー>
1928年。満州で育った日本人青年の伊丹は、中国人女性のシンシアと恋仲になる。だが、伊丹は日本に帰国。その直後、シンシアの兄が日本人に殺される。1931年。伊丹とシンシアは上海で再会。喜ばしい筈のこの再会は、運命か。偶然か。それとも…。

2005年 中国/フランス
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Re: 「パープル・バタフライ」
投稿日 : 2009/10/05 17:35
投稿者 久保田r
参照先
 仲村トオルとチャン・ツィイーが共演している作品。時代は、中国で抗日運動が激化している1930年代始めを背景としており、許されぬ立場の男女が惹かれ合い、別れ、再会した後の様々な事情を劇的に描写している。

 国の違いを越えて愛しあう二人が別れ、再会するというシチュエーションは、運命的なものが感じられ、悲恋の末に結ばれる…というのがハッピーエンドのセオリーであるけれども、この作品はそうではなく、男女として惹かれ合いながらも占領する側とされる側の国の違いといったものが二人の間に深い河となって流れており、愛のままに赴くことのできない時代の哀しみと人の心の悲しみといったものが描かれている。

 終始薄暗く、雨のシーンと血なまぐさいシーンが多く、気の滅入る作品だと感じた。台詞が極端に少なく、役者の表情をじっくりとカメラで捉え、そこから前後のシーンを推し量るような作りである為、全体的にゆったりとした時間が流れている。説明的な台詞が最低限しかないため、シーンによっては詩的な雰囲気さえ感じられるところもあった。

 私的には、もう後2、3歩かな…と思った。男女の仲の描写が少々判り難く、伊丹とシンシアは本当はどこまで深い仲なのかが今一つ釈然としなかった。また、シーンとシーンの繋がりにも判り難い点があり、タイトルである「パープル・バタフライ」の意味についても判り難かったので、観賞後にもやもやとした気分となった。結局、シンシアが愛していたのは、どの男性だったのだろう?

 伊丹の最後の台詞「僕たちは勝ったんだよ」は、印象的で心に残った。
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