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「真田幸村の謀略」
投稿日 : 2008/10/01 20:48
投稿者 Excalibur
参照先
『柳生一族の陰謀』、『赤穂城断絶』に続く東映の”復活時代劇シリーズ”(?)の第3弾(ちなみに第4弾は『徳川一族の崩壊』)。
前2作で主演を務めた萬屋錦之介は、脇に回って憎々しげな徳川家康を怪演。

主役の真田幸村役は松方弘樹で、寺田農、あおい輝彦、ガッツ石松、森田健作、火野正平、岡本富士太、真田広之、秋野暢子らが真田十勇士に、御大・片岡千恵蔵が幸村の父・昌幸を、梅宮辰夫が兄・信之を演じ、更に淀君役の高峰三枝子をはじめ、加藤清正に丹波哲郎、大野治長に戸浦六宏、後藤又兵衛は成田三樹夫、豊臣秀頼には小倉一郎が扮し、他にも浜村純、金子信雄、小林昭二、曽根晴美、梅津栄、宮内洋、萩尾みどり、香川良介、江波杏子、上月左知子、桜町弘子らトンデモない面々が右往左往している娯楽時代劇である。

『柳生一族〜』も史実をひっくり返した大胆なアレンジが話題になっていたが、この作品では更に踏み込んでいて、単なる時代劇ではなくSF映画と呼んでも良いような怪作に仕立て上げてしまった。
冒頭からいきなり妖星は飛来するわ、真田丸は浮遊するわ、ラストシーンで今度は猿飛佐助が妖星と化して飛び去ってゆくわ、一体製作スタッフは何が言いたかったのか、さっぱりわからない。

一方で、集団の馴れ合いではなく、個々の、ぶつかり合う人間として描かれている十勇士の姿など、見るべき点もある。
しかしながら泥臭い人間ドラマが明るい活劇となり得るとは思えないし、随所に見られる大々的な特撮シーンが、はたしてドラマの中に必然性を持って組み込まれているかと言えばそうとも言い切れまい。全てが未消化なのだ。
真田十勇士個々の出自・過去がどの程度ドラマに厚みを増しているのか。清海が女性である必然性はあるのか等々、約2時間半の上映時間を支えきれるほどのドラマではない。
はたして佐助は異星よりの訪問者だったのか?――全ては謎のまま幕を閉じてしまう。

結局製作者たちは、どのような層をターゲットにして、どのような映画を作りたかったのだろうか。
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