トップページ > 記事閲覧 
「三年身籠る」
投稿日 : 2008/09/19 16:20
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:唯野未歩子
製作:日下部孝一、大村正一郎、多井久晃
プロデューサー:日下部圭子
原作:唯野未歩子
脚本:唯野未歩子
撮影:中村夏葉
美術:仲前智治
音楽:野崎美波

<キャスト>
冬子:中島知子/徹:西島秀俊/桃子:木内みどり/緑子:奥田恵梨華/海:塩見三省/秋:丹阿弥谷津子/鈴木一馬/綾田俊樹/関敬六/相築あきこ/下田眞知子/猫田直/天光眞弓/安田洋子/平野稔/松本麻希/松浪りさ/亀石太夏匡、他

<ストーリー>
妊娠9ケ月を迎えた冬子は、耳栓をしたりして生まれ来る子供の為に万全な妊娠生活を送っていたが、一向に産気つかず、とうとう妊娠18ケ月目を迎え、遂には妊娠27ケ月を迎えた。

2006年 日本 ゼアリズエンタープライズ
記事編集 編集
Re: 「三年身籠る」
投稿日 : 2008/09/19 16:21
投稿者 久保田r
参照先
 オセロの中島知子が主役を演じている作品で、なんと三年間身籠るというもの。映画の冒頭では既に妊娠9ケ月という大きいお腹で登場し、歩くのもようやくといった姿から妊娠18ケ月目には車椅子を押してもらって移動する姿になり、妊娠27ケ月には人里離れた山荘で寝たきりといった姿になる。その間、お腹の中の子はどんどん大きくなりお母さんのお腹の中で喜怒哀楽を表現するようになる。

 常識的に考えて三年身籠ることすらあり得ないことで、タイトルを見た段階でコメディだということは察せられるが、三年身籠ることをジョークとして笑いが溢れる妊娠生活を送るという”ノリ”ではなくて、どこか三年身籠ることを真っ向から捉え”人間が生まれる”ことを真面目に問いかけているかのような作品。

 冬子の家族は、夫の徹以外に登場する血縁者は全員女性で、祖母も母親も「女の子が生まれる」と口を揃えて言っており、祖母に至っては「お父さんはそれほど重要ではないのよ」と言うほど。しかし、冬子は妊娠中ずっとお父さん宛ての手紙を書いており、一方、夫の徹には愛人がいたが彼女が昇進したことで徹はフられ、妹の緑子には歳の離れた恋人がいたが上手くいかなくなり「男は嫌い。女の子がいい」と情緒不安な感情を曝け出すようになる。

 子供が生まれるということは男女の行為があってのことというのを前提にして、男女関係の不埒さや性差といったものが表現されてあり、果たしてこのような世の中にお腹の中の子が無事に生まれて来るのだろうかという気持ちが高まった頃、冬子は産気づいて自然分娩で出産に入る。そして、夫の徹が外の空気を吸っているところへ子供の声がして、いきなり生まれたばかりの子が「パパ〜」と言って歩いて来る。

 動物の子は生まれてすぐに立ち上がるので、人間の子がそれに合わせるとなると妊娠27ケ月という月数が必要なのかも知れないが、作品の内容を振り返ってみると何故妊娠27ケ月もの月日が必要だったのかが今ひとつ分かり難い。始めからコメディーものと割り切って軽い気持ちで見たらいいのか、でもその割に男性・女性を意識した作りが引っ掛かる微妙な気持ちになる映画。

 蛇足。
 男性の必要性を表す「缶の蓋を開ける」シーンが効果的だった。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -