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「パプリカ」
投稿日 : 2008/08/22 17:02
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:今敏
アニメーション制作:マッドハウス
プロデューサー:丸田順悟、滝山雅夫
企画:丸山正雄
原作:筒井康隆(『パプリカ』中公文庫/新潮文庫 刊)
脚本:水上清資、今敏
撮影監督:加藤道哉
美術監督:池信孝
編集:瀬山武司
音楽:平沢進
キャラクターデザイン:安藤雅司
音響監督:三間雅文
作画監督:安藤雅司
色彩設計:橋本賢
制作プロデューサー:豊田智紀

<声の出演>
林原めぐみ/古谷徹/江守徹/堀勝之祐/大津明夫/山寺宏一/田中秀幸/こおろぎさとみ/阪口大助/岩田光央/愛河里花子/太田真一郎/ふくまつ進紗/川瀬晶子/泉久実子/勝杏里/宮下栄治/三戸耕三/筒井康隆、他

<ストーリー>
精神医療研究所に勤務する千葉敦子は、テクノロジーを駆使して開発された「DCミニ」と呼ばれる機器を使用し、夢探偵「パプリカ」という名の別人格の女性となってクライアントの夢の中に入る診療をしていた。ある日、「DCミニ」が内部の者によって盗まれ、研究所内に混乱が生じる。「パプリカ」は、真犯人を突き止めることができるのか!?

2006年 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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Re: 「パプリカ」
投稿日 : 2008/08/22 17:03
投稿者 久保田r
参照先
 なんとも絢爛豪華な色の洪水といった作品。原作者は、筒井康隆氏。作者独特の奔放さがはちきれんばかりに充満しており、波のように押し寄せる映像の勢いに飲み込まれそうな展開。

 冒頭からいきなり脈絡のない映像が次から次と展開され、一体何が起こったのか分からないまま話が進んでいく。そして、赤毛のショートカットの美女が表れ、パソコンに映し出された先ほどと同じ映像を見ながら渋い男性と会話をしている中身を聞いて、あれが夢を利用した心理療法であることを知る。

 赤毛のショートカットの美女の名は「パプリカ」と言い、作品のヒロイン。実は、精神医療研究所に勤務する千葉敦子という才媛な美女のもう一つの人格。「DCミニ」を使って他人の夢の中へ入る時の夢探偵でのコードネームが「パプリカ」。さしづめ「パプリカ」は、太陽のような明るい女性で、千葉敦子は、月のようなクールな女性。

 この作品は、終盤の「パプリカ」の台詞にあったように、「夢」と「現」、「生」と「死」、「男」と「女」というようなこの世のテーゼとアンチテーゼが表現されてあり、始めのうちはかろうじてあった境界が次第におぼろげとなり、「夢」と「現」がごっちゃになり、遂には一人の老いた男性のエゴに満ちた夢に飲み込まれそうになるが、そこへ「パプリカ」が登場し、少女の姿で老いた男性の夢を全て飲み込み、世界を救う。

 「夢」を表現している時の映像の色彩表現が豊かで、「夢」を見ている人物に合わせた色使いが存分にアニメーションという手法を活かしている。「夢」の特徴の断続的で脈絡のない映像の連続を、色彩豊かに描き、破天荒に満ちた作品を見事に表現している。

 個性豊かなキャラクターが揃い、それぞれに魅力がある。キャラクターと声との相性も良く、各キャラクターの性格が良い具合に表現されていて、スピード感のある展開の割に見やすい作品。

 色と想像力の洪水のような作品だが、それは情報の洪水のような現代社会を表現しているようで、ともすると情報に飲み込まれそうな自分とシンクロしてしまいそうになる。それこそがこの作品の描こうとしているところであり、魅力。
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