「四十七人の刺客」
投稿日 | : 2000/10/09 23:28 |
投稿者 | : Excalibur |
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「西暦1702年10月、大石内蔵助は既に藤沢を経て鎌倉に潜入していた――」というナレーションで始まる本作は、従来の「忠臣蔵」物とは一線を画した斬新な構成が魅力である。
殿中松の廊下での刃傷、浅野内匠頭の切腹等々一連の定番とも呼べるエピソードを大胆に割愛し、大石と上杉家家老・色部又四郎との謀略戦が中心だ。
老中・柳沢吉保に取り入り、事を極秘裏に処理し、常に赤穂の浪人の動静に気を配り、時にその切り崩しを計り、そして屋敷を要塞と化して襲撃に備える色部と、それを逆手にとって吉良の悪評をばらまき、世論を味方に付け、次々と布石を打っていく大石。
その情報戦争の果ての男と男の意地のぶつかり合いが吉良邸討ち入りであり、命乞いをする吉良上野介を一刀の下に自ら切り捨てる大石の姿は新鮮だ。
ただ、監督自ら『ナバロンの要塞』を想定した攻防戦、と語った肝心の討ち入りシーンに新味や迫力がないのが残念。
原作は脚本家としても知られる池宮彰一郎。
(1994/11/3 池袋ジョイシネマ2)
作品データ