シリーズ１６作目。この後権利関係のトラブルからシリーズは中断され、その間に四代目００７・ティモシー・ダルトンは契約を残しながら降板を表明。２本目にして、これが最後となってしまった。
映画としても低迷期と言え、『インディ・ジョーンズ』や『リーサル・ウェポン』といった後続のシリーズ作品がライバルとして圧し掛かり、その中に埋没してしまった感もある。
そんな状況を反映してか、任務を放棄してのボンドの復讐譚といえるストーリーや、直接描写こそないものの残虐性も加味された点など、シリーズの中でも異色作だと言える。
ただ、そんな中でも歴代随一であろうダルトンの演技力は的確で作品に風格を与えているし（演技力だけでなく、動きも抜群で数々のスタントシーンを自らこなしている）、二人のボンド・アクトレス、キャリー・ロウエルとダリサ・ソトの描き分けも巧くいっているようだ（二人のボンド・ガールが鉢合わせして、互いに対抗意識を燃やすという描写は今までありそうでなかったもので、他と違ったユーモアをプラスしてくれている）。ただ、ロバート・ダビィが悪の親玉ではちょっとスケールが小さいか。作品の評価も賛否両論。

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製作：アルバート・Ｒ・ブロッコリ、マイケル・Ｇ・ウィルソン
脚本：マイケル・Ｇ・ウィルソン、リチャード・メイボウム
原作：イアン・フレミング
音楽：マイケル・ケイメン
監督：ジョン・グレン

ティモシー・ダルトン
キャリー・ローウェル
ロバート・ダビ
タリサ・ソト
アンソニー・ザーベ

１９８９年

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