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「46億年の恋」
投稿日 : 2007/06/01 15:58
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:三池崇史
製作:関雅彦、八木ケ谷昭次、高森真士
原作:正木亜都(「少年Aえれじぃ」)
脚本:NAKA雅MURA
撮影:金子正人
美術:佐々木尚
音楽:遠藤浩二

<出演>
松田龍平/安藤政信/窪塚俊介/渋川清彦/金森穣/遠藤憲一/石橋凌/石橋蓮司、他

<ストーリー>
有吉淳と香月史郎は、それぞれ別の殺人を犯して監獄で知り合った。必要なことも喋らぬほど無口な有吉と凶暴な香月との奇妙な関係。ある日、既に死んでいる香月の首を絞めている有吉は看守たちに取り押さえられる。誰が香月を殺したのか…。

2006年 劇場公開(エスピーオー)
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Re: 「46億年の恋」
投稿日 : 2007/06/01 16:03
投稿者 久保田r
参照先
 この映画は何とも不思議な感触に囚われる。殺人、監獄、洗濯など現実的なキーワードはところどころに登場するが、作品の中味は精神世界が描かれていて抽象的。全編が「記号」に溢れていて、視覚的にそこから得られる情報によって不安が煽られ、少年期特有の内なる宇宙に誘われる感覚。

 有吉も香月も精神の奥で惹かれ合っているのだが、現実的な触れ合いを恐れ、見つめるだけの守るだけの愛情表現しかできない。二人とも自分以外の誰かと現実的に触れることを拒否する繊細な精神の持ち主なので、肉体的に触れ合うことを恐れ、数少ない言葉を交わし合うことしかできない。現実的なことに不器用な少年期特有の過激な純粋さ。

 映像は、余計な情報を排す為か舞台のようなシーンが多い。色使いも極めて絞り込まれ、黒と黄色をベースとした色彩の中に象徴的な鮮やかな色が織り込まれている。監獄という閉鎖的な空間の円形の雑居房の床の模様は、何らかのメッセージが込められているのではないかというほど作品全体に「記号」が満ちている。中でも印象的なのは監獄の外に見える「ロケット」と「ピラミッド」のような建築物。「宇宙」と「天国」そのどちらに行きたいのかと香月は有吉に尋ねる。有吉は「一緒に行ったら駄目かな。僕は君みたいになりたいんだ」と答えるが…。

 現実的な作品ではない。心象風景を映像化したような作品。所長役の石橋凌の不気味な微笑が印象的だった。
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