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「ラストソング」
投稿日 : 2006/09/01 15:39
投稿者 久保田r
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<スタッフ>
監督:杉田成道
製作:村上光一、堀内實三
プロデューサー:瀬田一彦、池田知樹
脚本:野沢尚
音楽:ニッキー・ホプキンス、長岡和弘
音楽プロデューサー:柿崎譲二、岩瀬政雄
歌:本木雅弘、吉岡秀隆
美術:小川富美夫

<出演>
本木雅弘/吉岡秀隆/長岡尚彦/奥脇浩一郎/藤田晴彦/倍賞美津子/石坂浩二/安田成美、他

<ストーリー>
博多のライブハウスを拠点に活動していたロックバンド「シューレス・フォー」にデビューの話が舞い込む。ヴォーカルのシュウは、それまで仲間だったギターのケンボーを追い出し、腕のいいカズヤをバンドに入れて上京した。しかし、デビュー曲は売れず、ドサ回りの日々。そんなある日、祭りのステージで歌ったカズヤの歌がみんなの心を打つ。

1994年 東宝
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Re: 「ラストソング」
投稿日 : 2006/09/01 15:40
投稿者 久保田r
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 一言で言い表すと「愛と青春の旅立ち」。でも中身はあの名作とはまるで違う。音楽で天下を取ることを夢見た2人の若者と間に立つ女性の物語で、愛と青春を泥くさく描いている映画。

 この映画を見ていると”青春とはかくも傷つきやすくて辛いもの”という思いが込み上げる。人には大なり小なり青春の苦い思い出というのが存在し、その頃の自分のちっぽけなプライドを守る為に些細な出来事にも敏感に反応したりするものだが、その青春の多感な感情の動きがこの映画にはみっちりと詰め込まれている。人に言えない過去の苦い思い出。しかしそれはその頃の若さでしか出来ない確かな”青春の証”で、エスプレッソのように苦く砂糖のようにも甘く、ほろ苦い思い出となってその人の人生の糧となっている。

 この映画で青春を激しく演じているのが、本木雅弘と吉岡秀隆と安田成美。地方から上京したロックバンドの顛末を演じていて、自分は天下を取れると信じていた鼻っ柱の強いヴォーカルを本木雅弘、彼について行くことを運命と信じているギターを吉岡秀隆、二人の間に立つ女性を安田成美が演じている。三者それぞれ自分の役目をわきまえた芝居をしており、音楽業界慣れしている本木雅弘と子供の頃から俳優である吉岡秀隆の立場が途中で逆転するところがこの映画の最大の要所で、ままならぬ人生というものを見る者に突きつけている。ロックミュージシャンらしい振る舞いは、がぜん本木雅弘にあるが、ナイーブな思いを歌に表すことの出来るアーティストらしさを演じているのが吉岡秀隆。個性派と演技派の芝居が上手く役に乗って演じ分けられている。

 劇中流れる歌は全てオリジナルとなっており、映画が描こうとしている目的を明確にしている。中でも最後に流れる吉岡秀隆の歌う「ラストソング」は、彼自身による作詞・作曲で、この映画の為に音楽に打ち込んだ彼の”成果”を聞くことが出来る。尚、本木雅弘は、この映画で第6回東京国際映画祭主演男優賞を受賞した。
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