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「仕立て屋の恋」
投稿日 : 2006/06/17 13:23
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:パトリス・ルコント
製作:フィリップ・カルカッソンヌ、ルネ・クレトマン
原作:ジョルジュ・シムノン
脚本:パトリス・ルコント、パトリック・ドヴォルフ
撮影:ドニ・ルノワール
音楽:マイケル・ナイマン
美術:イヴァン・モシオン
編集:ジョエル・アッシュ

<出演>
ミシェル・ブラン/サンドリーヌ・ボネール/リュック・テュイリエ/アンドレ・ウィリムス、他

<ストーリー>
ある日、若い女性が殺害される。警察は、近所で嫌われ者と評判の仕立て屋のイールのところへ事情聴取に来る。警察に対し非協力的なイール。イールは、自宅の窓から見える向かいに住むアリスという女性に恋をしていた。

1989年 フランス デラ・コーポレーション
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Re: 「仕立て屋の恋」
投稿日 : 2006/06/17 13:23
投稿者 久保田r
参照先
 始めは少々退屈な映画かと思ったが、イールの男の純情に気づくようになってからは、自然と引き込まれるようにして見た。映画の序盤にイールは変わり者だという人間性を主に見せているので、イールの変態性がテーマの映画かと思ったが、中盤にアリスと接近し言葉を交わすようになり、終盤に親しい間柄となってからは、イールの純情が描かれている映画なのだと知った。このイールの純情さが切なく、報われない愛が胸に染みる映画となっている。

 イールとアリスの持つ共有の秘密が明らかになるまでは、イールの一方的なストーカー的な恋情なのかと思った。ひたすらアリスの日常を見つめるだけの日々。時にはアリスの行き先にも着いて行き、行動を見つめるだけの恋。アリスがイールの視線に気づき、急接近した際、イールは触れようとするアリスの手を拒んだ。三次元の女性を二次元的に愛するフェティシズムの持ち主のストーリーなのかと思ったが、アリスの秘密をイールが知っていると分かった時点にイールの純情さが見えた。イールは本当にアリスのみに深い愛情を注いでいる情の深い男だった。

 アリスに裏切られた時に言う「君を恨んでいない。ただ死ぬほど切ないだけだ」の台詞がとても情感がこもっていて印象に残る。この台詞が全ての映画。

 もし、イールが容姿の優れた魅力的な男性だったら運命は変わっていただろうか…。ふとそんなことを思ってしまう悲しい映画。
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