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「MAZE マゼ」
投稿日 : 2010/04/25 15:26
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:岡田主
プロデューサー:松生秀二、小澤正彦
エグゼクティブロデューサー:高橋利雄
脚本:岡田主、谷口聡、折原悠
監督補:萩原達
撮影:鈴木史郎
美術:佐藤信夫
音楽:遠藤浩二
音楽プロデューサー:今野義雄
音響効果:福島幸雄
主題歌:aki「a song for you」
音楽ディレクター:近藤ひさし

<出演>
蟹江敬三/大沼健太郎/北村一輝/星野真里/仁科亜季子/井上晴美/小島聡/尾崎千瑛/森山周一郎/夏木陽介、他

<ストーリー>
車の交通事故により両親を亡くした裕太は、母方の祖父と暮らすことになる。漁師である祖父は、口数が少なく厳しい物言いをする人であったが、不器用ながらも裕太の面倒を見、少しずつお互いのことが分かり始める。ある日、裕太は学校で熱を出し、診療所の医師から大きい病因で詳しい検査を受けるように勧められる。

2006年
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Re: 「MAZE マゼ」
投稿日 : 2010/04/25 15:35
投稿者 久保田r
参照先
 じわじわと胸が一杯になり、後から後から涙が溢れ出て来る作品。とにかく泣ける作品。高知の海辺に住む弦次郎は、妻を亡くし、一人娘とは絶縁状態にあり、漁師をして一人で暮らしていた。ある日、娘夫婦が交通事故で亡くなり、他に身寄りのない孫の裕太が弦次郎のもとにやって来る。昔気質の弦次郎は、東京育ちの裕太を叱りつけるばかりであったが、徐々に打ち解け合い、和やかな日々を過ごせるようになった頃、裕太の病気が再発し、裕太は入院生活を余儀なくされる。

 海辺の町の無骨な漁師を演ずる蟹江敬三さんがとてもよい存在感を示しており、これが初主演作品であるというのが意外なほど、ストーリーの中核をきっちりと演じられていた。身内に厳しく、そしていざという時には厳しさの裏返しの深い愛情でもって人と接し、ぶっきらぼうな態度の中に人としての温かさが感じられる、そんな海の男を口数の少ない台詞を通して全身で演じていた。

 もう一人の主人公の孫の裕太は、両親を交通事故で一度に亡くし、これまで交流のなかった祖父の弦次郎のところへ来ることとなり、突然の環境の変化に心がついて行かず、頑な態度であったが、好きなクジラを通して周りのみんなと打ち解けるようにり、素直で優しい子であったけれども手術で治った筈の病気が再発し、入院生活を送る。そんな人生の荒波が次から次へと押し寄せて来るような難しい役を、大沼健太郎君が健気に演じている。終盤は溢れる涙を抑えることができず、泣き通しだった。

 この作品は、「絆の再生」をドラマとしていて、地方の小さな海辺の町で一度は壊れた人間関係が、裕太という少年を通して人々が過去と向き合い、許しを請い、そして手を取り合って生きて行くという過程が描かれている。壊れた過去を取り戻すというのは非常に困難なことで、誰しもが悩みを抱えているものだが、そこから逃げずに許しを請うことで、人間の弱さが強さとなり、人に優しくなれる様を裕太の人生を通して描いている。切なく愛しい人生のドラマ。
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