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「ラブ マイ ライフ/LOVE MY LIFE」
投稿日 : 2010/09/09 16:47
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:川野浩司
製作:藤田義則、古屋文明、滝口雍昭
プロデューサー:中林千賀子、三宅はるえ
プロデュース:片山武志、矢部浩彦
原作:やまじえびね「LOVE MY LIFE」
脚本:金杉弘子
撮影:福本淳
美術:伊藤ゆう子
音楽:noodles
音楽プロデューサー:安井輝
照明:市川徳充

<出演>
吉井怜/今宿麻美/高橋一生/平岩紙/須賀貴匡/川合千春/寺泉憲/秋本奈緒美/池内博之/小泉今日子/浅田美代子/石田衣良、他

<ストーリー>
大学生のいちこは、女性である恋人のエリーを父親に会わせる。驚きながらも父は受け止め、実は自分はゲイであり、亡くなった母はレズビアンだったと告白する。いちこは、父の恋人と会い、またエリーとデートに行った季節外れの海岸で亡き母の恋人とも会う。次々と新事実が発覚するいちこの周辺。弁護士を目指しているエリーは、クリスマスの夜に「試験が終わるまで会うのをやめよう」といちこに告げる。

2006年
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Re: 「ラブ マイ ライフ/LOVE MY LIFE」
投稿日 : 2010/09/09 16:51
投稿者 久保田r
参照先
 女性同士の恋愛をおしゃれな雰囲気でまとめた作品。原作は、やまじえびねさん。同名コミックの映画化。大学生のいちこは、父親に同性の恋人のエリーを紹介する。事実を受け止めた父は、実は自分はゲイで、亡くなった母はレズビアンであったといちこにカムアウトする。いちこは衝撃を受けつつも、娘として「愛」のある家族で育ったことに変わりはないと受け止める。いちこは、父の恋人と会い、またエリーとデートに行った季節外れの海岸で偶然亡き母の恋人と出会う。いちこには通っている大学にゲイの友人がおり、いちこと彼はいつもお互いの置かれている境遇について話し合う。一方、幼い頃から父親の抑圧を受けて育ったエリーは、父親を見返すために父親と同じ弁護士になろうと試験勉強に取り掛かる。クリスマスの夜、エリーはいちこに「試験が終わるまで会うのをやめよう」と告げるが、いちこはそれを受け入れられず喧嘩別れをしてしまう。エリーの父親を見返したいという思いを理解できないいちこは、父の勧めに従い英語の本の翻訳をし、リーディングという仕事を始める。新しい一歩を歩み始めたいちこの携帯にエリーから「会いたい」のメールが届く。

 ざっと流れを書くと以上の通り。主人公のいちこは、可愛いタイプの女の子で、ふわっとしていつもにこにことしている女の子らしい女の子。恋人のエリーは、すらっとした格好いいタイプの女性で、知的美人。ふたり並んでいる姿は、しっくりとした雰囲気があり、作品の意図とぴったり合っていると思った。

 この作品の良さは、なんと言ってもキャスティングで、主役のふたりを筆頭に、いちこの母親役の小泉今日子さんはほとんど写真のみでの出演であるにも関わらずいい感じであったし、いちこの母の恋人役を演じた秋本奈緒美さんと現在の恋人役を演じた浅田美代子さんもほんの僅かな出演でありながら大人の女性同士の恋人という雰囲気が表れていて流石であったし、いちこの父の若い恋人役を演じた池内博之さんも雰囲気作りが良かったし、エリーの元カレ役を演じた須賀貴匡さんもノンケの男らしさが効果的に表れていて良かったし、大学のゲイの友人役を演じた高橋一生さんはいちこのよき相談相手という立場を上手く演じていて良かったし、いちこのバイト先のCD店の客の役を演じた川井千春さんも出番の少ない役柄ながらインパクトがあって良かった。

 様々な意味で特筆すべきは、いちこの父親役を演じた石田衣良さん。演技が上手いかと問われれば、答えはNo。しかし、この石田衣良さんの存在が、この作品をスクリーンの中だけの事としてだけではなく、身近な出来事として感じさせており、そのため等身大な物の見方ができる作品となっているところが、石田衣良さん起用の意義があるように感じた。石田衣良さんの素人なところが必要であったかも知れないと感じるほど言い得て妙なキャスティング。ただ、もう少し台詞回しが上手ければ…と感じつつ。

 全体的に色彩の綺麗な映像とポップでキュートな音楽で構成されたおしゃれな雰囲気の作品であるけれど、同性愛者のデリケートな心の内や相手の気持ちを理解できないもどかしさや悲しさが描かれてあり、20代前半の若者の傷つきやすい心と柔軟な精神力といったものが上手く表現されている温かい気持ちとなる作品。女性同士による成長物語&恋愛物語。
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