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「スパイ・ゲーム」
投稿日 : 2011/04/18 16:45
投稿者 久保田r
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<スタッフ>
監督:トニー・スコット
製作:マーク・エイブラハム、ダグラス・ウィック
製作総指揮:アーミアン・バーンスタイン、トーマス・A・ブリス、ジェームズ・W・スコッチドープル、イアイン・スミス
脚本:マイケル・フロスト・ベックナー、デヴィッド・アラタ
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影:ダニエル・ミンデル

<出演>
ロバート・レッドフォード/ブラッド・ピット/キャサリン・マコーマック/スティーヴン・ディレイン/ラリー・ブリッグマン/マリアンヌ・ジャン=バプティスト/オミッド・ジャリリ/シャーロット・ランプリング、他

2001年
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Re: 「スパイ・ゲーム」
投稿日 : 2011/04/18 16:49
投稿者 久保田r
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 主演は、ロバート・レッドフォードとブラッド・ピット。役の上での二人の関係は師弟。麗しい師弟愛を描いた作品…と言いたいところだが、CIAが舞台となっているだけに、とてもじゃないが花束と微笑みとで彩られた美しい師弟愛なんてものではなく、花束の代わりに多くの嘘と駆け引きと犠牲者の血で彩られた師弟愛の顛末が描かれている。

 ロバート・レッドフォードが演じるミュアーは、任務を果たし続けてきたCIAの大ベテラン。ブラッド・ピットが演じるビショップとは、ベトナム戦争時に出会い、その後ビショップをスカウトしてスパイとして育て上げる。ある日、中国の刑務所から”誰か”を連れ出す作戦に失敗したビショップは、24時間後に処刑という運命が待っていた。ミュアーは、退官日にCIAの会議室へ呼ばれ、ビショップのことについて質問される。ミュアーは、質問に答えながら、単独行動を開始する。

 ミュアーとビショップの師弟関係は、ヒューマンドラマにもなろうほどにキャラクター設定が細密で、二人の出会いから物別れまでとても興味深く見ることができた。ビショップは、ミュアーに素質を見出され、スカウトされ、スパイとなるが、ビショップはアセット(情報提供者)に対して少なからぬ情を抱くところがあり、その点で任務のためには多少の犠牲はやむを得ないという考えのミュアーと次第に衝突するようになる。そして遂にビショップの女性絡みで二人は物別れをしてしまう。

 情を抱きやすいビショップはCIAの仕事に向いていないように思え、任務に徹するミュアーと比べるとまだ若く甘いように思えるのだが、対照的な二人のやりとりは作品の内容に人間味を与えており、引き込まれるようにして見ることができた。シナリオの組み立ては、あくまでも中国の刑務所での作戦に失敗したビショップの命の期限に沿っており、刻々と時間が過ぎていく中、会議室で話すミュアーの回顧シーンで二人の出会いから今日までのいきさつが描かれ、限られた時間内で二人の関係を描写しつつ、ビショップのために単独行動を取るミュアーの孤軍奮闘が見所の作品となっている。

 ロケによる撮影が多く、ヘリや車を使った派手なアクションシーンがあり、その一方で会議室という狭い空間のシーンも多く盛り込まれてあり、動と静が上手くかみ合った緊張感の高い内容となっている。カメラワークが実に多彩で、何台ものカメラで細かくカット割りをしてあるため、次から次へと視覚的な情報が入って来て、自ずと作品の緊張感が伝わってくる構成となっている。主演の二人を始め、どのキャラクターに於いても意味深な台詞の演技が功を奏していて、ラストまで真のオチの付き方が分からないという表現も見応えあり。シーンごとの映像の色合い、テロップの入り方と消え方。全体的にオシャレで粋な映像作品。
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