トップページ > 記事閲覧 
「インセプション」
投稿日 : 2011/05/12 16:20
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:クリストファー・ノーラン
製作:エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン
製作総指揮:クリス・ブリガム、トーマス・タル
脚本:クリストファー・ノーラン
撮影:ウォーリー・フィスター
編集:リー・スミス
音楽:ハンス・ジマー

<出演>
レオナルド・ディカプリオ/渡辺謙/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/マリオン・コティヤール/エレン・ペイジ/トム・ハーディ/ディリープ・ラオ/キリアン・マーフィ/トム・ベレンジャー/マイケル・ケイン/ピート・ポスルスウェイト/ルーカス・ハース/タルラ・ライリー/ティム・ケルハー/マケル・ガストン、他

2010年 ワーナー
記事編集 編集
Re: 「インセプション」
投稿日 : 2011/05/12 16:23
投稿者 久保田r
参照先
 複数の人間が夢を共有し、夢の中で情報を盗むまたは植え付ける世界を描いたSFアクション映画。コブは、他人の夢に入り込んで情報を盗むことを仕事としていた。ある日、仕事に失敗したコブは、「家に帰れる」という言葉を信じ、サイトーの依頼を引き受ける。サイトーの依頼とは、ある大企業の息子に父親の築いた帝国を壊させるというもので、コブは、メンバーを集め、緻密な夢の設計と計画を立てる。だが、コブには亡くなった妻、モルの存在が夢に大きな影響を与えていた。

 レオナルド・ディカプリオと渡辺謙の共演が見所となっており、厚みと押し出しのある演技により、「夢」という現実味の薄い浮き足立った世界にリアリティさと渋みを与えている。「夢」は、脳が作り出す映像の世界で、夢を見ることにより脳の情報が整理されると云われており、心理的なこと、潜在意識などが大きく関わっていると云われているが、他人の夢に複数人が入り込んで共有し、情報を盗むという設定は、まさに夢のようなSFの世界。夢の中の世界と現実の世界との映像の違いに明確な線引きがないため、どこからどこまでが現実の会話であり行動なのか判らない点が少々見難い点ではあったが、おそらくそういったことも意図した上での複雑なシチュエーションの映像の数々は、夢を舞台に活躍する登場人物たちの性格を浮き彫りにし、人間性を視覚的に見せていたように思う。

 登場人物については、人数が多過ぎもせず少な過ぎもせず、それぞれに役割があったので、その点は見やすかった。ただ、この作品は、つまるところコブの潜在意識の整理、もしくは告白であり、コブとモルの間にある夢の秘密が少しずつ明らかになるにつれ、他の登場人物たちの影が薄くなっていったのは少々残念な点でもあった。反して影がどんどん濃くなっていったのがコブの妻のモルで、彼女が登場する度にコブは愛しさのあまり近づいていき、遂には運命を共にすることを受け入れたように私には見えたが、それは、見る人それぞれの感じ方しだいかと。

 ラストのカットが、やりきれなく、切ない。アーサーが言った「無理だ」という台詞。アリアドネの言った「戻るわ」という台詞。一体どちらの台詞が真実であったのか。正解を明確に描かないラストは、この作品のストーリーのスタートからラストまで全てが「夢」であったのかも…しれない…。
記事編集 編集
件名 スレッドをトップへソート
名前
メールアドレス
URL
画像添付


暗証キー
画像認証 (右画像の数字を入力) 投稿キー
コメント





- WEB PATIO -