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「宇宙戦艦ヤマト/復活篇 <ディレクターズカット>」
投稿日 : 2012/04/08 16:17
投稿者 久保田r
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<スタッフ>
監督:西崎義展
監督代行:小林誠
エグゼクティブプロデューサー:西崎彰司
製作総指揮:西崎義展
企画:西崎義展
原作:西崎義展
原案:石原慎太郎
脚本:石原武龍、冨岡淳広、西崎義展
メカニックデザイン:小林誠
総作画監督:湖川友謙
撮影監督:広瀬勝利、青木隆
編集:西崎義展、辺見俊夫
ヤマトオリジナルスコア:宮川泰、羽田健太郎
音響監督:吉田知人
サウンドエフェクト:柏原満
主題歌:「この愛をささげて」THE ALFEE
アニメーションディレクター:羽原信義

<声の出演>
山寺宏一/青野武/置鮎龍太郎/古谷徹/茶風林/藤村歩/柚木涼香/永井一郎/緒方賢一/伊武雅刀、他

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追記
投稿日 : 2012/04/08 16:28
投稿者 久保田r
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追記。
 解せない点が一点ある。
 当ディレクターズカット版によって作品のイメージがよりしっかりとしたものになったのは確かだが、実は私自身は、『復活篇』のストーリー設定に多少の疑問を持っている。
 ラストで古代が「人間は今、一番大切なものを失おうとしている。この時になって初めてそのことに気づいたんだ。これまで人間は、地球にどんな態度をとってきたか。奪い、壊し、荒らし、作りかえ、万物の霊長などと思い上がってきた。巨大な宇宙のスケールから見れば、取るに足らぬ程度の災害がやって来ただけだというのに。地球を救ってやることもできない。無力なものだ。結局俺たちは負けたんだ。新しい移住地というのは、やり直しのチャンスを与えられたに過ぎないのだ」と語る台詞。
 何もかもをも飲み込むブラックホールの前では、どんな惑星であれ平等に飲み込まれてしまうと思うのだが…。もし仮に人間が地球を大切にして来ていたらブラックホールに飲み込まれることもなかったのだろうか…?と感じるような台詞となっている。もしこれが、地球温暖化による巨大災害で地球を失うというストーリー設定ならば、この台詞もすとんと理解できるのだが。古代のこの台詞は、続きを見れば納得のいくものになるのだろうか。この疑問解決のためにも続編の製作を切に願う。
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ラストの差し替え(4-4)
投稿日 : 2012/04/08 16:26
投稿者 久保田r
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 物語のラストが、地球がカスケードブラックホールに飲み込まれるというシーンに変更となったため、ややあっさり気味のラストとなっている。波動実験艦ムサシが登場し、「地球は銀河系中心部の超巨大ブラックホール内に取り込まれたことが判明した」という報告を聞いた古代が、「これから宇宙戦艦ヤマトは単独で銀河中心のブラックホールに向かい、地球の最後を見届けます」という台詞のやりとりをして「第一部完」となっている。

 このラストを見て、故・西崎監督が地球消滅にこだわった理由がやっとはっきりと分かった。全三部作と言われる『復活篇』が続くにはこのラストでなくてはならないということがよく分かる。「超巨大ブラックホール内に取り込まれた」の言葉を聞いた瞬間の古代の表情がそれをよく表現している。地球が粉々に砕け散ったというような内容の報告ではなく「取り込まれた」という報告。その報告は、ブラックホール内に地球が存在するかも知れないという可能性を秘めており、その可能性にはユキを捜す手がかりをも含まれている。地球を追うという新たな展開を示唆して終わるこのラストは、『復活篇』がまだ続くストーリーであることを名言しており、続編への新たな希望が感じられる良いラストであると言える。

 しかし、この第一部だけを見た場合、ラストのインパクトの弱さは否めないところ。2009年版では、地球を救うためにカスケードブラックホールの内部に向かって六蓮波動砲を一発に集約して発射するという見せ場があり、古代が波動砲を撃つシーンやボロボロになるヤマトの姿といった迫力あるシーンが描写されていた。あのラストのインパクトさを知っているとディレクターズカット版のラストはややあっさりとしていて物足りなさ感を覚えるが、でもそれも全ては「第二部」へと繋がるためのもの。こうなると是が非でも「第二部」「第三部」を見なくては『復活篇』は語れない。早めの製作と完成を心待ちにして、これからも応援し続けたい。
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効果音と音楽の変更(4-3)
投稿日 : 2012/04/08 16:24
投稿者 久保田r
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 効果音と音楽の変更は、従来の作品のファンであるか、この『復活篇』で初めて「ヤマト」を見たというそれぞれのファンの立場によって感じ方が異なるように思われるので、一概には良いとも悪いとも言えないように感じている。そして、単純に見る人それぞれの好みと。もっと細かいことを言うと「ヤマト」は、「1」作目から作品ごとに音楽に対するスタンスが少しずつ変わって行っているので、「ヤマト」の音楽はこうあるべきという完全なスタイルがあるようでいて実は流動的であるというのが、私の感じている「ヤマト」の音楽。そのため、効果音を含めて”『復活篇』の音”はこれで行くと決めた2009年版のままでも筋が通っていると思うし、従来の作品の音とのバランスを考慮して変更するのもまたシリーズ全体として筋が通っているようにも感じられる難しいところ。そのような二つのことを思考しながらも、いざディレクターズカット版の音を聴くと、従来の作品からのファンである私は、やはり「これこれ、この音!」と感動してしまう。耳に刷り込まれたヤマトの音が鳴り響くと自然と胸の鼓動が早まる。主砲の音、ワープの音、爆発音、生活音など。このディレクターズカット版では、主砲の発射音や爆発音が従来の音へと変更となり、そちらの音に馴染みのある私は、かつての戦闘シーンと同じ高揚感が得られて良かった。また、自動ドアの開く音や電気の点く音やキーボードを叩く音なども細かく変更されており、2009年版で感じた生活音の違和感が減った点も良かった。

 音楽の大きな変更は、主に後半部分。クラシック曲の使用が大幅に減り、替わりにかつての「ヤマト」の音楽を使用している。この変更によって後半戦のSUSとの決戦シーンもこれまでのヤマトの戦闘シーンと同じ感覚で見ることが出来るが、映像と100%合っているかというと難しいところ。シーンと見合うよう色々な音源を工夫して使用している点は素晴らしいと感じるが、シーンを印象づけるまでに至っていないのが残念なところ。しかし、クラシック曲の多用よりはずっと「ヤマト」の絵と馴染んでいる。かつて「ヤマト」の音楽は常に作品の内容に合わせて作られ続けて来た。無いものねだりを承知で言わせてもらえれば、この後半にこそ宮川・羽田両先生の新曲が欲しかった…と、そう切に願う「ヤマト」に於ける音楽の重要性がつくづくと感じられる後半の音楽変更であった。
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新作カットの追加(4-2)
投稿日 : 2012/04/08 16:22
投稿者 久保田r
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 当ディレクターズカット版の大きな特徴は、大幅な新作カットの追加と、それに伴う新しい台詞の追加と、効果音を従来のものへと変更し、使用音楽がいくつか変更され、エンディングが地球がカスケードブラックホールに飲み込まれるものへと差し替えられたこれら5点。これだけ手が加えられるともはや別作品になるのではないかと懸念してしまうほどであるが、ベースとなっているのはしっかりと2009年上映版の映像であるので、全体を通しての作品のイメージはそのまま引き継がれている。

 新作カットと新しい台詞が追加されたことにより、ストーリーの進行の違和感がぐんと減り、キャラクター間の人間ドラマにぐっと厚みが増して感情移入しやすくなっている点がとても良いと思った。特に医務室での上條と小林と美晴の会話のシーンと、古代が小林に加藤の制服を渡すシーンがあったことにより、小林と上條のぶつかりあう思いと、彼らを見守る大人となった古代の目線が描写されてあってとてもよかった。これらのシーンがあったことで古代と新キャラクター達との間に絆が育まれ、より人間的なドラマが生まれる。激しい戦闘を経て成長した新キャラクター達と古代が艦長室で会話をするシーンでは、一枚岩となった宇宙戦艦ヤマトの乗組員という空気が漂っており、次なるステップ(第二部)へと繋がるシーンとなっていた。そしてこの艦長室での会話は、この後のシーンで古代が娘の美雪に言う「命を粗末にするな」にも繋がっており、言葉の持つ意味と重みが表れている大切なシーンであったように思う。この他のシーンでも台詞をカットしたり補足的な台詞を追加するなどの整理がなされ、当ディレクターズカット版は随分と説得力の増した作品に仕上がっている。2009年版では散らかっていた印象の脚本が整頓され、一つ一つの台詞に重みが増し、言葉の力が感じられるようになった。併せて戦闘シーンでも細かくカットの編集作業が行われており、ヤマトを主体的に捉える視線と、客観的に捉える視線との描き分けがテンポよく巧みに表現されてあり、それらを総合して見やすく説得力のある作品となっている。
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はじめに(4-1)
投稿日 : 2012/04/08 16:19
投稿者 久保田r
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 2009年に劇場公開された『復活篇』のディレクターズカット版。監督である西崎義展氏が2010年に不慮の死を遂げ、遺志を継いだスタッフによって製作。新作カットを30分以上追加し、効果音を従来の音へと変更し、エンディングを地球消滅のものへと差し替えている。新作カットが大幅に加えられながらも、エンディングが異なっていることと、細かな編集作業が行われているため上映時間は2009年上映版よりも短いおよそ120分間。

 始めに、故・西崎義展監督のご冥福を心よりお祈り申し上げます。本来ならば西崎義展監督ご自身の手で作られるべきディレクターズカット版が、遺志を継いだスタッフのたゆまぬ働きによって、この世に残る形となって完成を見たことを心から嬉しく思います。これが西崎監督の伝えたかったことであり表現したかったことなのかと思うと、ディレクターズカット版を鑑賞する私の目にも自然と熱いものが込み上げます。きっと西崎監督は、作り上げたスタッフと待ち望んだファンを遠く高き場所より見届けていらっしゃることと存じます。
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