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「ウォール・ストリート」
投稿日 : 2012/04/20 15:07
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:オリヴァー・ストーン
製作:エドワード・R・プレスマン、エリック・コペロフ
製作総指揮:セリア・コスタス、アレックス・ヤング、アレサンドロ・キャモン
キャラクター創造:スタンリー・ワイザー、オリヴァー・ストーン
脚本:アラン・ローブ
撮影:ロドリゴ・プリエト
編集:ジェリー・モンロー、デヴィッド・ブレナー
音楽:クレイグ・アームストロング
音楽プロデューサー:バド・カー

<出演>
マイケル・ダグラス/シャイア・ラブーフ/ジョシュ・ブローリン/キャリー・マリガン/イーライ・ウォラック/スーザン・サランドン/フランク・ランジェラ/オースティン・ペンドルトン/ヴァネッサ・フェルリト/マイケル・ジェネット/ナタリー・モラレス/シルヴィア・マイルズ/チャーリー・シーン、他

2011年 FOX
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Re: 「ウォール・ストリート」
投稿日 : 2012/04/20 15:10
投稿者 久保田r
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 1988年公開の「ウォール街」の23年振りとなる続編。監督は、前作と同じくオリヴァー・ストーン。主演も同じくマイケル・ダグラス。ほんの一瞬で激動する巨額の金に翻弄される人間たちのドラマをドラスティックに描いている作品。

 若くしてウォール・ストリートで成功を手中にしているジェイコブは、かつてインサイダー取引で獄中の人となった父親を持ち自らは非営利ニュースサイトの運営に携わっているウィニー・ゲッコーと同棲をしながら、順風満帆な生活を送っていた。しかし、勤務先が噂が発端となって破綻。父とも慕っていた経営者を自殺で亡くし、突然の悲劇に襲われる。ウィニーの父親であるゴードン・ゲッコーと会ったジェイコブは、金融マンらしく彼と取引をしながら、黒幕であるブレトンの本性を知る。そして、ジェイコブはブレトンに対して復讐を挑むが…。

 前作を見ていないため、予備知識がないままに鑑賞した当作品であったが、そのためか私には、若い金融マンのジェイコブが主役であるように感じられた。線が細くやや頼りなげな体格であるけれども、内に秘めた金融マンとしての野心や野望といったものが全身を通して表れており、挫折と人生の喜怒哀楽を知って成長する若者の姿が描かれてあってよかった。若者らしく突っ走ったり、時に強引になったり、時に自信を喪失したり。”マネー・ゲーム”の世界で生き抜いてみせようとする姿勢がしっかりと表れていてよかった。

 しかしその一方で、作品全体の真の主役であり黒幕は、マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーであるというのが憎いところであり、この作品の意図するところかと。前半はひたすら静かに大人しく、若者に主役の座を与えながら、年配者らしく一歩引いたスタンスからもっともな意見を口にして、そして終盤にまさかのどんでん返し。作品のストーリーとシンクロするかのような役者マイケル・ダグラスの表情は、してやったりといったような思惑が感じられ、なかなかに楽しめる展開となっていて面白かった。

 他者を出し抜き、追い落とすといった容赦のない金融業界は、トップの座を狙う男同士の争いであり、気の休まらない世界であると感じた。そういう苛烈で危うい世界を描く一方で、ジェイコブとウィニーの関係にも同じだけの重みでもって家族を形成しようとする人間らしい営みを描いていたのは、好印象だった。ジェイコブが投資しているのは、エコな未来を築く技術であり、それはすなわち自分たちの子の世代のこと。そのことを身を持って自覚した後のジェイコブの取った行動は、人間愛が感じられてよかった。この作品は、ゴードン・ゲッコーの復活劇でもありながら、古来から繰り返される人間の営みと、未来を築くことをも視野に入れた深みと広がりのある内容となっている。

 映像がとにもかくにも綺麗。華やかな金融業界のセレブな美しさと、一分一秒を争う金融ビジネスのスピード感とが、抜群のカメラワークと映像美によって表現されている。圧倒的な質量と巧みなストーリー。これらを味わえる重みのある作品。

 それにしてもマイケル・ダグラス。こういう役が実に似合います。

 追記。
 パーティ会場でのマイケル・ダグラスとチャーリー・シーンの出会いのシーンが、会話にスリルがあってよかった。
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