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「Sweet Rain 死神の精度」
投稿日 : 2012/05/25 16:00
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:筧昌也
プロデューサー:堀部徹、神蔵克、倉田貴也
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
アソシエイトプロデューサー:小出真佐樹
原作:伊坂幸太郎(「死神の精度」)
脚本:筧昌也、小林弘利
撮影:柴主高秀
美術:清水剛
音楽:ゲイリー芦屋
音響効果:岡背晶彦
主題歌:「Sunny Day」藤木一恵
VFXプロデューサー:石井教雄
助監督;吉田亮

<出演>
金城武/小西真奈美/富司純子/光石研/石田卓也/村上淳/奥田恵梨華/吹越満、他

2007年 ワーナー
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Re: 「Sweet Rain 死神の精度」
投稿日 : 2012/05/25 16:03
投稿者 久保田r
参照先
 伊坂幸太郎さん原作「死神の精度」の映画化作品。主役の死神を演じるのは、金城武さん。ヒロイン役は、小西真奈美さん。主題歌も小西さんが担当している。

 死神の仕事とは、死が予定されている人間に近づいて調査をすること。実際に死を実行するのではなく、対象が死にふさわしい人間かどうかを調査し、「実行」か「見送り」かの判定するというだけの仕事。素手で人間に触れると気絶してしまうため、人間に触れる時には白い手袋をはめ、ミュージックをこよなく好み、ミュージックショップの試聴コーナーに長居することもしばしば。調査の対象のとなった藤木一恵は、ある電気機器メーカーの苦情処理係として日々クレームの電話を受けていた。一恵を指名するクレーマーが一人おり、薄気味の悪い日々を送っているさなか、一恵は若い男性の姿に扮した千葉と名乗る男と出会う。千葉はこう尋ねる「死ぬことについてどう思う?」

 原作は、6編の短篇からなる作品で、そのうちの始めの話と、2番目の話と、最後の話の3つの物語を映像化している(原作レビュー:http://chaos-i.com/review/novel/patio.cgi?read=247&ukey=1)。原作では、この3つの物語は繋がっておらず、特に最後の物語は、別の物語に登場する人物のその後のことを描いているのだが、映画ではオリジナルの設定となっており、始めの物語の主人公のその後のことについて描いている。登場人物に統一性を持たせ、時系列順に描くことにより、見やすさが増し、死神の特徴についても分かりやすくしている。映画オリジナルの設定のもう一つの大きな特徴は、原作にはなかった黒い犬の存在。この黒い犬は、死神の千葉にひっそりと付き従い、千葉の”仕事”のナビゲートのような役割を果たしている。黒いスーツ姿の男と黒い犬の組み合わせ。この世のものとは思えない少々奇妙な雰囲気が漂っている。

 コンパクトにまとまっていてなかなか分かりやすい仕上がりになっていると感じた。金城武さんの国籍不明などこにでも溶け込むようなひょうひょうとした風貌は、作品とイメージと合っていたと思うし、ミュージックをこよなく好む仕草は、アクセントとなっていて良かった。無表情でどことなくきょとんとしていて時に本質を突く発言をする。ハートフルな中に一片のハードボイルドさを持ち合わせた甘辛な死神像が活きていたように思う。

 ヒロイン役の小西真奈美さんは、華奢で儚げな雰囲気の役が似合っていてよかった。孤独な女性の弱さがよく演じられていた。小西さんの演じた藤木一恵が、全体を通して鍵となる女性。2番目のやくざの物語の中でも、最後の物語の中でも彼女の存在が所々で現れる。緩やかな伏線の張りが次第に明らかになるにつれ、人の一生とはこういうものなのかも知れない…と頷くようなそんな内容となっている。
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