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「東京の嘘」
投稿日 : 2012/07/29 17:11
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:井上春生
脚本:井上春生
撮影:木村重明
主題歌:「jinx」nangi

<出演>
島田雅彦/岩田さゆり/菊池亜希子/ジェイ・ウェスト/小山田サユリ/平山広行/佐藤寛子/nangi、他

2007年
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Re: 「東京の嘘」
投稿日 : 2012/07/29 17:13
投稿者 久保田r
参照先
 「Cinema(映画)」と「Music(音楽)」を組み合わせた「CineMusica(シネムジカ)」という新しいスタイルの作品。シネムジカとは、EPICレコードと映画監督の井上春生さんを中心としたプロジェクトのことで、当作品はシリーズの第2弾。主題歌と音楽担当は、2007年にエピックレコードジャパンよりメジャーデビューした女性シンガーソングライターのnangiさん。出演もしている。

 映画作品にとって音楽は作品を盛り上げる要素として必要不可欠な重要な存在であるが、この「シネムジカ」は、音楽と作品のストーリーを同じ比重で扱っているため、一般的な映画作品として見ると何となく違和感を覚える新感覚な作品となっている。映画の持つストーリー性とメッセージ性に音楽の持つ感覚的なイメージが組み合ったイメージ想起優先な映画作品といったところ。見方によっては音楽PV(プロモーション・ビデオ)の延長線上でもあるし、ストーリーの進行を音楽で大胆に補う映画作品という趣きでもある。

 登場人物は、大学教授の瀬尾朔太郎、長倉ちひろ・ゆかり姉妹、白バイ乗りの田村隆、瀬尾の妻のミナミ、ゆかりの彼氏の福山透ら6人がメイン。海辺に停めているキャンピングカーで暮らしている長倉ちひろとゆかりの姉妹がストーリーを進める中心となっており、拒食症やピーナッツアレルギーや精神の病いといった事象の中、瀬尾朔太郎が一定の距離を保ちつつ周囲の女性たちと関わり合っていくという内容。退廃的で自堕落なムードに満ちている。

 大学教授の瀬尾朔太郎役を演じた作家の島田雅彦さんが、危うい人物像をよく演じていて作品のイメージとぴったりと合っていたと思う。現代的な都会の退廃さに漬かっている長倉ちひろ・ゆかり姉妹も、作品の目指すイメージとよく合っていたと思う。なにしろ作品自体がイメージ想起優先な作りのため、衣食住といった生きていくために必要なリアルさを極力遠ざけているため、登場人物たちの存在にリアリティが感じられず、はっきりとしたストーリーのオチや作品のメッセージといったものが分かり難かったのが心残りな点。しかし、そのことこそがこの作品の意義であろうかと思うので、感覚的にイメージを作り出して鑑賞する作品だと思う。
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