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「阪急電車 片道15分の奇跡」
投稿日 : 2015/03/04(Wed) 13:48
投稿者 久保田r
参照先
<スタッフ>
監督:三宅喜重
チーフプロデューサー:重松圭一
製作:福井澄郎、松下康、見城徹、角和夫、桐畑敏春、中村仁、越智常雄
原作:有川浩
脚本:岡田惠和
撮影:池田英孝
美術:松本知恵
編集:普嶋信一
VE:吉岡辰沖
音楽:吉俣良
主題歌:aiko「ホーム」

<出演>
中谷美紀/戸田恵梨香/南果歩/谷村美月/有村架純/芦田愛菜/小柳友/勝地涼/玉山鉄二/宮本信子/相武紗季/鈴木亮平/大杉蓮/安めぐみ/菊池均也/黒川芽以/森田涼花/高須瑠香/高橋努/芦川誠/小野晴子/実咲凛音、他
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Re: 「阪急電車 片道15分の奇跡」
投稿日 : 2015/03/04(Wed) 13:50
投稿者 久保田r
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 有川浩さん原作の連作短篇集を実写映像化した劇場作品。監督は、これまでTVドラマを手掛け、これが映画デビューとなる三宅喜重さん。脚本は、多くのTVドラマ・映画の脚本を手掛けて来た岡田惠和さん。舞台となる電車は、阪急今津線。

 OLの翔子は、3年間付き合って結婚の準備までしていた彼氏を同じ会社の後輩に寝取られ、自分を結婚式に招くことを別れる条件とした。式当日、翔子は純白のドレスに身を包んで式場へ行く。列席者から好奇の目を向けられながらも、新郎は美しく着飾った翔子に目を奪われる。そしてその帰り道、ドレス姿のまま乗り込んだ翔子は、阪急電車内で幼い孫を連れた品の良い老婦人と出会う。

 阪急電車内でほんの束の間人生が交叉する主な登場人物は、彼氏を寝取られたOLの翔子、彼氏のDVに悩む女子大生のミサ、PTAで知り合った主婦らとの付き合いに悩む康江、大学受験に悩む女子高生の悦子、地方から出て来ておしゃれなキャンパスライフについて行けない美帆とパンクで軍事オタクな圭一、クラスメイトとの関係に悩む小学生の翔子、そしてかわいい孫を連れた人生経験豊富な時江。これら登場人物のそれぞれの年代の女性が抱える悲喜交々の人生を垣間見ることができるストーリー。

 描いている内容とキャラクターのイメージは、ほぼ原作通りで申し分なし。原作を読んで想像した通りの風景と空気感が表現されており、電車の中に白いドレスを着たいかにも訳ありの妙齢の女性が現れたことでドラマが生まれ、日常の中の非日常さが絶妙なコントラストとなって描かれていて良かった。それぞれの年代を演じた女優さん方の表現力はもちろんのこと、脇をさりげなく支える俳優さん方の表現にも味わいがあり、人情味をじっくりと味わえる間合いが良かった。

 惜しかったのは、終盤の時江の説教シーン。私的に時江を主人公として見ていただけに、時江のセリフをしっかりと聞き取りたかった。宮本信子さん演じる時江がどう怒りを表したのか見てみたかったのだが、敢えて音を抑えるのも一つの表現方法であることも承知。電車を降りた後の圭一と美帆の拍手が時江の武勇伝を称えていたのでそれで良しといったところ。

 圭一と美帆のカップルがかわいくて仕方がない。垢抜けない二人があまりにも初々しくて微笑ましい。そして結婚式に討ち入りをした翔子を演じた中谷美紀さんの表現力が素敵。人物の性格がよく表れていて、ゆるやかな心境の変化の中にも鮮やかさがあって魅力的な人物となっていた。

 私が原作で最も気に入っている、図書館が縁で出会った征志とユキのカップルが入ってなくて多少残念だったが、こちらのカップルはスピンオフとして作られWebで公開されDVD発売中。運良くWebで見ることが出来、監督と脚本が異なるもののこちらもほぼイメージ通りで良かった。
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