大きめのCDショップのクラシック音楽のコーナーを覗くとき、衝動的にNAXOSレーベルのCDを買い込むことがある。
安価なものが多いのと、聞いたこともない作曲家の作品が魅力的なコピーで紹介されているためで、その後お気に入りとなって何度も聴くようになるCDに出会えるのは稀だが、かといって購入を後悔するようなケースは皆無なので意外に自分の勘は悪くないようだ。

これはそんな中で見つけた一枚。
作曲者のヴァシリー・カリンニコフはロシアの作曲家。
チャイコフスキーやリムスキー＝コルサコフとラフマニノフの間、グラズノフと同世代で、チャイコフスキーや五人組の影響を受けているのが素人でもなんとなくわかる。
チャイコフスキーには認められたものの、リムスキー＝コルサコフとは合わなかった模様。
若くして亡くなっているせいか日本では無名だが、ロシアでは比較的ポピュラーな存在らしい。

この第一番、メロディーはひたすら美しい。しかも明るい。
しかしそれは能天気な明るさではなく抒情的で清らかなもの。
同じフレーズの繰り返しが多く、しかもそれが耳に馴染みやすいので、「そんな無名の作曲家なんて」と尻込みしているクラシック初心者でも大丈夫。
むしろ入門編に相応しいような親しみやすさで、知らずに聴けばイージーリスニング系統、ヒーリング・ミュージックか映画音楽だと思うかも知れない。「第２番」と合わせてお勧めだ。

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