「待望の」なのか、「何で今さら（爆）」なのか、復活した『宇宙戦艦ヤマト』の続編。
その噂は数年前からあって、そのうちに作者本人が「パート１に直結する作品にする」とかなんとか発言しはじめたものの、いつのまにか「世代交代させるかも？」となり、遂にはパート１から１０００年後の「西暦３１９９年」を舞台にスタート。しかも主人公はかつての乗組員ソックリな直系の子孫たち。名前までも代々受け継ぎ、「古代進３２世」と名乗っているんですが、うーん、それじゃあ世代交代させた意味がないような気もするんですがねぇ。なんで素直にパート１を受けた作品じゃいけなかったんでしょうか。
ま、ともあれ不思議な縁に結ばれた（笑）面々がヤマトに集結し、復活したヤマト（グレートヤマトと呼称される）に乗って旅立った・・・はずなんですけど、一向に旅が始まらず（苦笑）に地球の周回軌道をウロウロして早何ヶ月？　月刊誌連載でこの遅いペースは正直言ってかなりツライです。
そもそも連載開始（’００年４月号）から既に１年以上経つのに、思わせぶりなだけで殆どストーリーが展開していないのは、色々事情はあるのでしょうがちょっと読者を置いてきぼりにしすぎる嫌いはありますね。
近年の『銀河鉄道９９９（新）』をはじめとする色々な作品とのリンクも顕著で、相手方として出てくるのはやっぱり＜ダークィーン＞とメタノイド。ヤマトの同型艦のまほろばもしっかりと出てきたりと引きは充分なんですが、掲載誌の後ろのほうに押しやられたり、ページ数が減ったりとまことに前途多難な航海ぶりであります。

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今回のキーパーソン（だろう）新キャラクター・羽黒妖が登場。これは『超時空戦艦まほろば』に登場した女性と同一人物なのか？例によってミステリアスな雰囲気を持った＜謎の美女＞というキャラである。
思わせぶりな言動でストーリー展開を引っ張るだけ引っ張って後はそのまま、ということにならないといいのだけれど。
佐渡に後事を託し、古代は妖に連れられてヤマトが待つ北極へ――。

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古代に続いて佐渡先生の子孫も登場。またダークィーン配下のメタノイド艦隊も出現し、近年の他の作品群とのリンクも匂わせてくれる。『銀河鉄道９９９（新）』や『ニーベルングの指環』とのクロスオーヴァーも楽しみ且つ不安・・・。
乗組員の子孫たちは共通の腕時計を持ち、いつかヤマトが自分らを呼ぶ時が来ると信じているのだが、そのデザインはちょっといただけない。時計のデザインそのものは悪くないが、文字盤に直接「ヤマトへきたれ」とメッセージが出るのはちょっとガッカリ。まぁこのアナクロさというか、こういうセンスが良いというファンも多いのだろうが。
時計に呼ばれ旅立ちの準備をしていた古代の父（古代進３１世ということになるのか）が、病に力尽き倒れる。父の遺志を継ぎヤマトへ向かう決意を固める古代進３２世。物語の滑り出しとしては上々。好みは分れるだろうが。

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西暦３１９９年、物語は再び始まる。
古代進は「雪風」の副長として登場するが、これは輸送船団の護衛艦のようなものか。突如出現した移動性ブラックホールに全艦飲み込まれ、唯一の生存者となる。
地球人が偉大な「ヤマト」の存在を忘れようとしている時代。年代、時代経過等を抜きにすれば、かつてのパート２（映画『さらば宇宙戦艦ヤマト／愛の戦士たち』及び、ＴＶ『宇宙戦艦ヤマト２』編に相当）と同じような状況で、『ヤマト』の続きとしては「らしい」スタートと言えるだろう。
「雪風」というネーミングは旧作ファンへの目配せなのかも知れないが、気になるのは移動性ブラックホールの方。これは幻の劇場版『宇宙戦艦ヤマト／復活編』に登場予定だった＜カスケード・ブラックホール＞の設定を転用したものではないのか、用途・目的は別にして。

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掲載誌の休刊による連載中断。
ようやくのネット上での連載再開。
・・・にもかかわらず相変らずのスローな展開。ＴＶ化や映画化もどうなってしまったのやら。
作品を愛しているのならば、大切にして欲しいものだ。
そして、それを心待ちにしているファンをも。

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