
「ショーコさん主婦選業中!」 松山花子

Re: 「ショーコさん主婦選業中!」 松山花子
投稿日 |
: 2010/08/15 17:41 |
投稿者 |
: 久保田r |
参照先 |
: |
2010年4月6日 (株)竹書房 BAMBOO COMICS
2巻目にして早くも最終巻。元キャリアの主婦ショーコさんと元部下であり落ちこぼれの見本のような夫の誠さんが主人公の”選業主婦マンガ”。ショーコさんと誠さんの暮らす家には、毎日のようにお客さんがやって来ては、賑やかにご飯を食べていく。
2巻目では、ショーコさんのお向かいの家にゲイではないけれども人生のパートナーとしてお互いに男性を選んだ二人組や、その片方の母が現れて同居を始めたり、インド生まれの北欧育ちのオーストラリアからの留学生が突然現れてショーコさん家でホームステイを始めたり、以前ショーコさんに想いを寄せていた少年が成長して超能力を持って現れたりと、1巻にも増してバラエティ豊かな内容となっている。
超能力少年が登場した時点で内容がリアル感のない方向へとシフトして行き、はっきり言って望ましい終わり方ではないと思うけれども、お向かいさんの坂田さんのお母さんの登場は、ショーコさんとは真逆のタイプの一昔前の専業主婦で、あってしかるべきな登場で良かった。このお母さんの存在は、作品に厚みをつけているので本当に意義のある存在。段々とショーコさんと息子たちに感化されて変化していく様子も、受容能力の高い専業主婦ならではの特性として描かれていて良かった。
専業主夫が増え始めている昨今の社会。男性だから、女性だからという性別に囚われず、外で働きたい人が外で働き、家事をしたい人が家事をするという適材適所が浸透しつつあるのは良いことだと思う。性別に囚われて無理をしても後悔が募るばかり。男性女性に限らずに能力には個人差があり、また人の好みは千差万別。このマンガのように能力の高い女性と何をやっても上手くいかない男性のカップルというのは、もしかすると割と存在するのではないかと思う。一般受けする内容ではなかったかも知れないが、変わりつつあるこれからの”新しい夫婦のカタチ”として、もう少し様子を見ながら息長く続けて欲しかった作品。
追記。
巻末に収録の「ショーコさんと誠さん〜なれそめ編〜」でショーコさんにアドバイスしている人物は、「やさしくしないで!」の主人公、伊原優一では?

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