「東京城址女子高生」 山田果苗
投稿日 | : 2020/09/20(Sun) 07:12 |
投稿者 | : Excalibur |
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高校2年の広瀬あゆりは、ふとした切っ掛けからお城好きの同級生・持田美音と知り合いになる。
放課後、強引に美音に連れ出されたあゆりは、土塁や空堀、時には何の痕跡も残っていない城跡のどこが愉しいのか全く分からない。
ところが何度も二人で(時には城好きの数学教師・田辺も入れて三人で)城めぐりを続けてるうちに、最初はうんざりしていたあゆりも次第に興味を持ち出す。
最初はあゆりを連れ出すための美音の方便だった「城址散策部」を、実際に作っちゃおうと盛り上がったものの、その二人の前に”校則の番人”生徒会長の橋本紀沙が立ちはだかり、また最低でも部員は三人必要ということで、「女子散歩部」と勘違いしてやってきた1年生の紺野亜子を騙し討ちのような形で(?)入部させ、と波乱含みながら田辺を顧問にして無事設立。
夏合宿、そして文化祭の展示を成功させ…というのがここまでの物語。
なんだかんだで紀沙も含めた4人組が成立しつつある。
城マニアの美音と城に全く興味のない素人のあゆりという女子高生コンビを主人公に、埋もれたお城を紹介していこうという作品で、現在単行本は3巻まで発売中。
キャラが立ってきたので単純に漫画としても面白くなってきた。
カレシがどーの、合コンがこーの、といった高校生らしい話題はたまに出る程度で、毎回のお話がお城絡みで展開していくのはアッパレ。
しかも取り上げられているのが、江戸城や松本城、小田原城を別格とすると、世田谷城、石浜城、深大寺城、稲付城、成宗城、渋谷城、高幡城、本郷城、奥沢城、練馬城、八王子城に分倍河原古戦場と、都内にありながら殆どの人が知らない城ばかり、というのもイイ。
ということで、これ、アイドル主演でドラマ化したらどうだろうか(アニメ化はキツそう)。
登場人物は多くないし、学校や家のシーンもあまりないからセットも最小限で抑えられそうだし、現地でのロケ撮影さえしっかり出来れば案外面白い番組になりそうだけど。
場合によってはドラマ部分を押さえてセミドキュメンタリー形式にするという手もあるし…。
Re: 「東京城址女子高生」 山田果苗
投稿日 | : 2021/08/11(Wed) 21:48 |
投稿者 | : Excalibur |
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愉しみにしていた「東京城址女子高生」、なんと今年の3月に発売された4巻で完結してしまいました。
最終話は、高校を卒業したあゆり、美音、それに紀沙が久々に亜子と再会する、というエピソード。
これまでの時間経過から飛ばしてエピローグ風にまとめるのは、打ち切りによくあるパターンですね。
その前に亜子が、あゆりたちが卒業した後の部活動に不安を抱くというエピソードがやや唐突な形で入り、これが如何にも伏線です、という感じなのですが、やはり本来の構想とは違った形で締め括らざるを得なかったのだろうなという気がします。
作者のコメントによれば「2冊くらい出せればいいなと思っていたら4冊も出せた」とのことですが…。
おそらく人気の低下というよりはコロナ禍で取材も儘ならなかったというのが大きな要因だったのではないかと思われますが、まだまだ彼女たちには多くの城を巡って欲しかったので残念でなりません。