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「胎児の世紀」石ノ森章太郎
投稿日 : 2001/11/27 20:46
投稿者 Excalibur
参照先
『人造人間キカイダー』のコミック第6巻を買ったら巻末に収録されていたので、「ついでに」読んでしまったのだけれども、短編とはいえ子供心に強烈なインパクトを受けたもの。
あらためてデータを調べてみると、この作品が描かれたのはちょうどパニック映画がヒットしたり、『ノストラダムスの大予言』がベストセラーになったりという世紀末ムードが漂ってた頃だ。
突然、世界中の水のある至る所から出現した「泡」は、次々と人間に襲いかかった。「泡」に襲われた人々は老若男女問わず意識不明となり、やがて胎児のように身体を丸めて死んでしまい、いまや人類は破滅の時を迎えようとしていた――という設定もそういった終末ブームを反映したもの。
主人公は東京へ働きに出てきていた少年・寒川光。どうせ死ぬなら、と故郷を目指して旅を続けている光は、親と死に別れ一人ぼっちになってしまった少女・田代美樹子と知り合う。更なる旅の途中で、今度は白浜洋子という少女と、その彼女を迎えに来たというテツというチンピラと同道することになった。
こうしてサバイバル物としての色合いを強めながらも、物語は光と洋子をとりまく人間関係が中心となっていく。その顛末はかなりやるせなさが残るものの、ラストシーンに一筋の光明が見えるのが救いではある。
このシチュエーションなら大した予算も必要ないだろうから、誰か映像化に挑戦しないものだろうか。
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