ショーン・コネリーやリチャード・ギアが主演した映画『トゥルーナイト』のコミカライズ・・・ではなく、タイアップ・コミックと呼ぶべきだろう。作者自ら後書きで語っているように、ランスロット、アーサー、グウィネヴィアの三角関係（ラブ・ストーリー）を描いた映画とはまるで別物で、ランスロットと、同じく円卓の騎士の（映画には登場しない）ガウェィンとの友情に焦点を当てた物語になっている。そして細かいアレンジはあるものの、原典により近いのもこちらだ。どちらが面白いかは好みの問題だが、こういう＜アーサー王モノ＞も見てみたかったと思わせるものがある。

単行本には、叙事詩『アーサー王の死』をまとめたことで知られるサー・トーマス・マロリーを描いた「光の中の君へ・・・」や「きまぐれＳＩＮ−ＷＡ」の２本の短編も収録。

角川書店　あすかコミックス　　1996.2.17　初版

編集