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「惑星ロボ ダンガードA」松本零士
投稿日 : 2003/10/28 20:57
投稿者 Excalibur
参照先
巨大ロボットアニメの原作版、と紹介されがちだけど、ちょっと違う。『宇宙海賊キャプテンハーロック』や『銀河鉄道999』のようにコミックが先行していたわけじゃなく、まず初めにTV企画ありき。その企画に沿って著者が参加し、TVと同時進行でコミカライズされたものだからだ。
とにかく著者は巨大ロボット・アニメが嫌いらしい。じゃなんで参加したんだよ〜と問質したいところだが、アニメ製作を勉強する場だと割り切ってのものだったんだと。はたして役に立ったんでしょうかね(どうもそれだけじゃ勉強が足りなかったらしく、次作『SF西遊記 スタージンガー』にも「原作者」として参加しておるが/苦笑)。
で、その大嫌いな巨大ロボットの扱いをどうしたかというと、なんと物語のラスト・カットのみに登場させるという掟破りの手段に出たのは有名な話。そもそもダンガードAのデザインだって別人のものだしね。その飛行形態であるサテライザーや、母艦となるジャスダムも申し訳程度の描写に留まるくらいその毛嫌いぶりが徹底しているのが、いっそ潔い。そのおかげか、エリートによる人類支配を目論む独裁者と、それに挑戦する主人公たち、という構図はこの著者らしい雰囲気も醸し出すことに成功しているような。
しかしそれよりも驚きなのはこの物語の主人公一文字タクマが、とうとう物語のラストまで成長しないってことだろう。キャプテン・ダンから罵倒を浴びせられつづけ、クライマックスのシチュエーションも結局はタクマ自らの失態が招いたもの。トラブルメーカーの足手まといってわけで、こりゃないよなぁ・・・。TVアニメ版では勿論ヒーローしてますけどね。

なお、単行本の巻末には紙数を埋めるべく別作品の『マシン童子』を収録。著者お馴染みの(?)数ある途中で放りっぱなし作品の一つで、「雄大な構想で始めた作品のプロローグ(序章編)です。愛着の深い作品ですので、おりをみて続編を発表したいと考えています」というコメントが虚しい・・・。
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