
「フラワー オブ ライフ」 よしながふみ

第4巻
投稿日 |
: 2007/07/16 16:34 |
投稿者 |
: 久保田r |
参照先 |
: |
2007年6月15日 (株)新書館 ウイングス・コミックス
最終巻。タイトルの「フラワー・オブ・ライフ」がよく分かる締めとなっている。白血病を克服して1年遅れではあるけれども普通に高校1年生を過ごして来た花園春太郎の青春。しかし、春太郎の病気は、5年内に再発する恐れがあり、そのことを知った春太郎は泣き喚き、生きることの素晴らしさと死の恐怖心とを覚え、大人への階段を昇る。春太郎を取り巻くクラスメートたちそれぞれの青春も描かれ、多感な年齢の少年少女たちの「flower of life」を読むことができる。
勝手な思い込みだが、卒業まで描かれるのかと思っていた。白血病を克服した春太郎の高校生活を読むことが出来ると勝手に思い込んでいたので、これで最終巻と知って呆気なくも思ったが、高校1年の1年間に絞ったことで、病気を克服した筈の春太郎の波瀾万丈な高校生活を凝縮して読むことが出来、これで良かったのかもと読み終えてから思った。
白血病の再発の恐れがあると知った春太郎は、髪の色を金に近い茶から黒へと変えた。自分の境遇を受け入れることと生きる時間を大切にすることを覚えた春太郎は、親友の目から見ても分かるほど大人っぽく成長した。春太郎の親友の三国翔太も漫画を描く難しさを知り、挫折し、立ち直り、クラスメートの真島海は担任との恋愛で他人との関わり合いを身を持って覚えた。他のクラスメートたちもそれぞれ一喜一憂な出来事を体験し、大人と子供の境を過ごす高校生たちの人生がよく描かれている。
表面的にはいただけない表現も多い。しかし、よくよく登場人物の環境や心情に目を向けると、色々と考えさせられることが多い。大人になると複雑に感じる生きることの難しさが、ここには高校生という立場で感受性豊かに描かれている。

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第3巻
投稿日 |
: 2006/04/29 13:06 |
投稿者 |
: 久保田r |
参照先 |
: |
うーん…。このテの続き漫画の単巻レビューは難しいのですけれども…んでも、さすがよしながさん、ページ数を把握して区切り良く書いていますので、取り敢えず3巻レビューです。
3巻は、文化祭後〜クリスマスのお話。文化祭でしっかりと絆が深まった春太郎のクラスメイトたちは、次なるイベント、クリスマスに向けてテンションが上がる。他クラスながらも文化祭の劇ですっかり春太郎たちと仲良くなった武田さんの服を買うお話や、しっかり者の山根さんとずぼらなクラスメイト坂井さんの本の貸し借りを巡るお話や、春太郎と翔太の真の友情が深まる漫画描きの宿命のお話や、春太郎の家でのクリスマスパーティに張り切るみんなと、おっと忘れちゃいけないぜの担任シゲと真島のラブ・アフェアの顛末など、今回もキャラの性格をバッチリ豊かに個性的に表現して楽しく描いている。
それにしても、堅気な内容じゃないなぁ…学園ものなのに…(笑)。漫画だから楽しく読んでいられるけど、シゲと真島はアリですか!?いや、関係的にはアリっちゃアリなんですが、読み物としては面白いんですが、越えては欲しくはなかったかな…。個人的な希望として。んでもきっとこの後に”あーそうなのか”と思わせる展開がある筈なので、その他のキャラたちの今後の動きと共に続きが楽しみであります。

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第2巻
投稿日 |
: 2005/11/01 14:41 |
投稿者 |
: 久保田r |
参照先 |
: |
2巻では、学園祭のクラス別の出し物として劇が描かれていて、この劇が『銀河英雄伝説』と『冬のソナタ』を足して2で割ったようなどこかで見たようなストーリーで分かりやすい。真島が付けているマントなんて、帝国軍の元帥のようじゃん(笑)。さすが、よしながさん。ツボを押さえている。
高校生活ならではの環境で各キャラが動いているので、細かな演出が結構面白い。テストや授業や教師など共感出来るところが多い。
それにしても真島。同人にかける情熱を勉学にもう少し活かせ。あれだけBLを学べたら、勉強だってそこそこ出来る筈だ。

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