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「性別が、ない!/両性具有の物語」 新井祥
投稿日 : 2005/12/05 17:10
投稿者 久保田r
参照先
2005年10月10日 (株)ぶんか社

 半陰陽である作者が、自らの性を描いた4コマ漫画。半陰陽とは、サブタイトルにあるように両性具有のことで、生まれつき男性性と女性性を持っている人ということ。

 漫画なので「ネタ」なのかと思った。そういった性の人を取材し、そこから生まれたネタを披露しているのかと思ったが、実は作者自身が半陰陽であり、自分自身を模索、理解する為に描いている漫画なのだと読んで分かった。こういった性を持つ人は、世間一般に広く自分自身を公開することはめったにないことなので、その勇気に脱帽することしきり。素晴らしいことだと思うし、ポジティブな性格の作者に拍手喝采。

 漫画の連載は、「本当にあった笑える話」という漫画雑誌に連載中で、このコミックスは抜粋されたものが集められている。よって経過が途中省かれているところがあり、伴侶と離婚した経緯とか話の前後の繋がりがなくて不明なところも若干あるが、それを補ってあまりある性の話が満載なので、先ずは世の中にはこういった性を持つ人がいるということを知るのに楽しく学べる1冊だと思う。

 表紙は、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」をパロった絵。作者はデザイン学校の講師であるので、絵に対するそれなりのこだわりが窺える。自分の性に閉じこもることなく前向きな姿勢で臨んでいる作品。激しいシーンはなくとも、これは成人に読んでいただきたい。性の奥深さを篤と知るがよろし。

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第10巻
投稿日 : 2011/11/09 16:10
投稿者 久保田r
参照先
2011年7月20日 (株)ぶんか社

 両性具有の作者が描く性別ネタ4コマ漫画がついに10巻の大台に。第1巻の頃は、奔放でやんちゃな性体験レポートが多かったが、月日を経て現在では性に悩める若者たちにアドバイスするほどの頼れる先輩へと変身。一度は女性として結婚した体験もある、だけれども現在ではすっかり男性化した、戸籍の性別は女性のままの、男性でもあり女性でもある作者の描くセクシャル・マイノリティーをテーマとしたコミックス。

 第10巻の内容は、日常ネタと、もはやお馴染みとなったタイへの旅行ネタと、読者からの性の悩み相談ネタと、飼っている犬をネタにした犬漫画と、巻末にはアシスタントのコウくんの描いた4コママンガといったところ。

 日常ネタといっても、作者の周囲にはセクシャル・マイノリティーの人たちが一般人のごとく”普通”に存在しているので、やはりネタはそっちの方向に。SMのお店でミニ・オフ会をしたり(参加者はやはりセクシャル・マイノリティーの方たち)、”百合”ネタや、ビアンの青山先生のことや、アダルトグッズの体験など。

 タイへの旅行は、失恋したというペペを連れての旅行で、B型人間のペペの行動が楽しい旅行記。作者と一緒の旅行なので、もちろん風俗ネタあり。

 読者からの性の悩み相談は、草食系男子と肉食系女子についてや、恋愛欲と性欲について、セクシャル・マイノリティーの人の結婚について、中学生からの性の悩みといったところ。この悩み相談は、相談者の年齢が若いと基本的なことや本質的な質問が多くてためになるし、もう少し上の年齢になると精神的な深い部分にまで踏み込んだ内容となっていてとても勉強になる。

 巻末のコウくん漫画は、回数を重ねるごとに絵柄が変化していくので、漫画家を目指すコウくんの成長が伺える楽しいページ。今回は、ネタの展開にキレが加わって読みやすくなった。オチのつけ方もなかなかグッド。
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第9巻
投稿日 : 2011/04/30 16:14
投稿者 久保田r
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2010年12月20日 (株)ぶんか社

 前巻からおよそ半年で出版された第9巻。染色体検査により半陰陽であることが判明し、30歳まで女性として過ごし、男性と結婚までした作者が、離婚後は男性化して過ごしているという実録漫画。半陰陽とは、いわゆる中間性のことで、男性でもなく女性でもない、性別のない状態のこと。

 9巻の内容は、アダルトグッズ、風俗、イギリス旅行記、うさぎカフェ、性相談、ミミマルのことを描いた「犬様と俺」、こう君の描いた漫画、そしてこう君萌え(笑)といったところ。9巻ともなるとだいたい内容がパターン化しており、性の探求と、旅行記と、性相談と、「犬様と俺」と、こう君漫画が定番。

 アダルトグッズについては、店主とフレンドリーに会話しているのが楽しかった。こういう店は「しーん」とした雰囲気なのかと想像していたので、グッズについてあれこれ説明してくれる店主がユニークだった。風俗に働く女性へのインタビューをもとにした漫画も楽しかった。性別がはっきりしないお客がいるそうで、風俗に働く女性たちは、そういった人に対して寛容とのこと。さすがそういった世界で働く女性たちは肝が座っていると感心。

 イギリス旅行記は、クリスマスの時季のロンドンが描かれている。怖いものを展示している観光スポット「ロンドン・ダンジョン」の体験記や、アダルトグッズの店、ゲイパブ、イギリスのスパ、同性愛者が子育てをする子供向け絵本、見知らぬ英国人の写真アルバムを買った土産話などなど。一般的な旅行記では味わえない刺激的な内容となっている。

 性相談では、作者のような中間性の人からの相談が今までに比べて多かった。こういった人からの相談が増えて来ているということは、作者のことが知れ渡って来ているという証しかと。人並み以上に「性」の人生経験が豊富な作者は、心強い相談相手なのだなと感じたしだい。元担当編集者の相談内容が切なかった。
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第8巻
投稿日 : 2010/09/23 17:30
投稿者 久保田r
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2010年6月10日 (株)ぶんか社

 半陰陽である作者、男性でもなく女性でもなく、また男性でもあり女性でもある、早い話が中性の作者が実話を基に性にまつわるネタを描いている4コマコミックス。ちなみに作者は、30歳まで女性として生き、結婚と離婚をして、以後は外見は男性化して生活している。

 8巻の内容は、タイでのFTM(女性から男性へ性転換)手術に同行した際の顛末記と、女装、性相談、ペットの犬のミミマルを描いたマンガエッセイと、おまけのコウくんの描いたマンガ。というのが大まかな内容。

 タイの顛末記は、性転換手術のことは6巻でほぼ描いてあるので、タイ式スパのことや、夜のお遊びスポット、美容系クリニックのこと、そしてシリラート死体博物館。名前を聞くだけでインパクトのあるシリラート死体博物館は、その中味も凄い。顔を半分に切られた人がホルマリン漬けにされてあったり、法医学博物館や、寄生虫博物館や、解剖学博物館などがあり、それぞれに強烈な展示物が多数。マンガで見るだけでもインパクトがあるので、実際に見たらもの凄い刺激を受けることと思う。

 女装については、これまでにもネタとして度々登場しているが、作者が歳を取り、外見がはっきりと男性化しているため、何やら痛々しい女装姿に。コウ君や若いコの女装はかわいい。

 性相談では、「Aセク」について。私は「Aセク」のことを知らなかったので大変ためになった。「Aセク」の定義は本当に難しく、本人の自覚や無自覚でも生まれつき「Aセク」の人もいるだろうし、線引きが非情に難しい問題。果たして「Aセク」は性経験を積むとなくなるものなのか?いやはや難しい。

 コウくんのマンガは、やはり女装について。女装を体験した時のことを描いている。絵柄が、1巻の頃と変わった。

 ところで。
 帯の「男でもない女でもない……」と書いてある文字(専門用語では何と言うのか分かりませんが)と、「中身をちょい読み」の4コマが、7巻の内容となっているのは何故に?もしかしてこれは7巻用の帯だったのかな?
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第7巻
投稿日 : 2010/02/20 17:00
投稿者 久保田r
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2009年10月10日 (株)ぶんか社

 30才まで女性として過ごし、染色体検査により「半陰陽」と判明し、以後男性として生活している作者の、実体験に基づく性にまつわるあれこれを紹介している4コマ漫画。「半陰陽」とは、男性と女性の中間を指しており、両方の性の象徴を所有しつつも両方とも本来の役割の機能を果たしていないため、男性でも女性でもあり、男性でも女性でもない真の中間性のこと。

 第7巻は、性グッズの紹介と、キャバレー巡りと、名古屋のゲイのお祭り紹介と、性相談と、作者の愛犬のことを描いた漫画と、住込みアシスタントのコウくんの漫画で締め括りという内容。前巻で宣言していたタイでの性転換ルポは、お休み。その代わり、一般的にはおよそ目にする機会のない性グッズと若者を中心とした性の悩みをたっぷりと読むことのできる内容となっている。

 性グッズの紹介では、立ちション用グッズの考察や、アダルトオンリーの福袋の中味、ナベシャツなど。中でも立ちション用グッズについては、作者の好奇心旺盛さが窺える内容。

 キャバレー巡りと名古屋のゲイのお祭りの紹介では、MtFの馨さんが大活躍。キャバレーに男性の格好で客として行ってみたり、女王様ルックで行ってみたりとバラエティ色豊かな試みをしている。名古屋のゲイのお祭りでは、馨さんは胸の形のプリンやあの形のホットドッグを作って販売。同性婚のイベントが行われたりして、賑やかなお祭りだったよう。

 性相談では、急増しているという「FtX」「MtX」のどの性別にも属したくないという男性や女性の悩みが印象的だった。最近では、元の性別に縛られずに生きたいという若者が増えており、一見普通のカップルに見えても男性がネコで女性がタチであったりという、様々なバリエーションのカップルが誕生しているよう。年配者には理解しにくい現状ではあるが、これも90年代以降にあったヴィジュアル系ブームの影響や、昨今のインターネットによる情報過多の影響ではと作者は考察している。

 時代の流れと共に変化するセクシャル・マイノリティーの世界を日々是検証する作者の姿を読むことのできるコミック。
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第6巻
投稿日 : 2009/09/24 16:49
投稿者 久保田r
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2009年4月10日 (株)ぶんか社

 男性でもなく女性でもない半陰陽の作者が、自らの性にまつわる様々な体験を4コマ漫画形式で綴っている実話マンガの第6巻。作者は20代まで女性として過ごし、結婚し、離婚。妻として過ごした日々がありながらも、現在は、男性化して美少年アシスタントのコウくんと同居中。一般人には真似したくても真似のできない波瀾万丈な人生を持ち前の気丈で明るい性格で乗り切っている希有な存在の漫画家。

 第6巻の主な内容は、韓国とアメリカへの旅行記と、引っ越しと、女性から男性への性転換手術を行う人のタイでのルポと、性関係の相談と、ペットのミミマルのミニ漫画、他…。韓国は、コウくんと同僚の青山先生との3人旅。私的には、メルヘンチックなカフェが印象的だった。アメリカは、コウくんとアニメエキスポへ行く旅。アメリカ人のコスプレイヤーやヤオイのコーナーなどのレポートがあり、後半は、ディズニーランドとユニバーサルスタジオの観光レポート。タイでの性転換ルポは、作者が第三者の目線でルポしているので、思った以上に細かく様子が伝えられてあり、ちょっとしたカルチャーショックを受けた。性転換と一口で言っても段階を踏んで手術をする必要があり、1年くらいはかかるものとのこと。性関係の相談についても日常では滅多に見聞きすることのできない情報が詰まっている。

 タイ編は、次巻へ続くとのことで、また、セクシャルマイノリティーに関する情報は年々変化しているということなので、このまま引き続き7巻でも性にまつわる話題を楽しく読んで学べることを期待したい。
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第5巻
投稿日 : 2008/11/14 17:09
投稿者 久保田r
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2008年9月10日 (株)ぶんか社

 5巻目ともなるとすっかり男性化が定着した感のある半陰陽(両性具有)の作者が、自らの体験を基に読者の性の悩みに回答している4コマ漫画。そんな作者が男性でもあり女性でもある証拠は、裏表紙の4コマにバッチリと描かれてあり、おそらく初めて見る人には衝撃を与えるであろう作者の人生が、たった4コマの中に簡潔且つ明瞭に描かれている。(女の子として育てられ、女性として結婚し離婚もして、現在はオッサンとなった作者の姿が描かれている)

 5巻の内容は、「本当にあった笑える話」本誌収録分の他、増刊誌や他誌の収録分をまとめて収録しているので、作者の自己紹介を兼ねた基礎的セクシュアリティなネタが含まれている。1巻からの読者には既に承知の内容であるけれども、ネタがすっかり重複しているわけではなく、前に読んだことのあるような内容でもネタ自体がそっくりそのままではないので、復習するような気持ちで新作を読むような感触の5巻となっている。

 収録ネタのジャンルをざっと紹介すると、関西旅行、タイ旅行などの旅行ネタ。過去の放蕩ネタ。性相談ネタ。コウくんネタ。犬ネタ…といったところ。離婚前までは元ご主人がよく登場していたが、離婚し名古屋で専門学校の教師を始め、住み込みのアシスタントのコウくんと共同生活を始めてからは、コウくんの登場率が圧倒的に多くなった。コウくんは、自他ともに認める美少年なので、綺麗な少年が登場するのは、作品の内容的にも歓迎なのだけど、でももうちょっと作者自身のことを語っても良いような気がする。キャラクターの役割的にコウくんは欠かせない存在なのだろうけど、コウくんが性の奥地へと足を踏み入れることは現段階ではあり得ないと思うので、コウくんには似合わないようなもう少しツッコンだ性ネタを作者のキャラを活かして描いて欲しいと願うところ。

 私的な好奇心で、ビアンの青山先生の動向が気になる。タチの性分から強くなりたいと望んで男性ホルモンを投与している青山先生が今後どのように変化していくのか見届けたい。
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第4巻
投稿日 : 2007/09/14 15:40
投稿者 久保田r
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2007年8月10日 (株)ぶんか社

 半陰陽である作者が、自身の「性」をネタにした4コマ漫画コミックス。これまでは自身の体験談がネタの基本となっていたが、4巻目に入って身近な例を引き合いにしながらセクシャルマイノリティーについて分かりやすく解説している。コミックスの構成は3部構成となっていて、前半はベースとなっているセクシャルなネタ。後半は、読者の悩み相談に答える「性別が、ない!Side-B」と愛犬観察日記ペットマンガ「犬様と俺」という構成。

 読む際に念頭に置いておきたいことは、作者は、生まれつき「性別がない=両性具有=中性」であるということ。その時々のホルモンの量により男性化したり女性化したりする稀な体質を持って生まれ育った作者が自身の体験を基に描くセクシャル漫画であるということを踏まえて読んだほうが面白味が分かると思う。

 この漫画を読むと、世の中には案外セクシャルマイノリティーな人が多いのではないかという思いがするくらい、大らかに堂々と「性」のことについて描かれている。「性」というのは知っているようで知らないことが多く、自分の知らない「性」について楽しく知ることができるのがこの漫画の長所。例えばコミックスのトップのネタとなっている「服装倒錯(トランスベスタイト)」とか。実生活においては何ら支障もなく普通に異性を好む人が、服装でのみ異性の格好を好むというもの。こういった嗜好の人は、コスプレイヤーに結構いるのではないだろうかという検証や、男性ホルモンと女性ホルモンの特徴など、色々なことを分かりやすく漫画で知ることができる。

 読者の悩み相談に答える「Side-B」では、他人にはおいそれと訊けないような相談内容に共感したり、作者の回答に納得したりとためになる内容が多い。人は誰しも悩める存在なのだということがよく分かる。そして、表紙カバーを外すと、BL漫画家であるCJ Michalskiさんが描いた作者とアシスタントのコウ君の似顔絵を見ることができる。今回もバラエティ豊かに楽しめる内容となっている。
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第3巻
投稿日 : 2007/01/09 14:57
投稿者 久保田r
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2007年1月1日 (株)ぶんか社 ぶんか社コミックス

 一応、数字の上では年に1冊のペースでの発行とはなっているが、実際にはおよそ1年間に3冊発行となっているハイペースな4コママンガ。それだけ描き溜めていたものが多かったのだろうし、1巻、2巻の売り上げに乗じて勢いのあるうちに3巻を発行したという思惑も感じなくはない今巻となっている。

 3巻の表紙は、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」をパロった絵。1巻、2巻に引き続き名画シリーズとなっている。この表紙を見ると、”男らしさ・女らしさ”の絶対的自信というのが揺らいでくる。レインボーフラッグを掲げ民衆を率いて絵の中心に描かれている作者が、このナリで実は男でもあり女でもある中性なのだから。ペンは剣よりも強しを表すかのように大きなペンを携え、男女の象徴を表すランドセルを踏みつけているこの自画像からは、作者の謂わんとするところが伝わってくる。男が男らしくあること、女が女らしくあることは、もはやあやふやな境界でしかなく、単なる記号でしかないということをこの本の表紙と中身は語っている。

 内容は他に、旅好きな作者の性嗜好を盛り込んだ海外旅行記と、名古屋のデザイン学校のアニメーション科の教師としてのエピソード、ペットの耳丸を題材にした愛犬マンガなどが載っている。本の終わりには、アシスタントこう君が描いた新井先生をネタにしたマンガや、師弟対談も載っていてなんともバラエティな内容だが、存在自体がマイノリティーな性別の作者なので、どれも楽しい内容となっている。だがしかし、1巻、2巻のような衝撃度&性の考察度は薄れただろうか。さすがに3巻目ともなると、世間に受け入れられた感があるが、作者にはまだまだ性の探検者であって欲しい。加齢と共に体と脳はどのように変化して行くのかその辺りまで読むことができれば、息の長いシリーズになることと思う。
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第2巻
投稿日 : 2006/07/10 14:34
投稿者 久保田r
参照先
2006年6月10日 (株)ぶんか社 ぶんか社コミックス

 作者が両性具有の4コママンガコミックス。30年間女性として生き結婚までした作者が、ホルモンのバランスによって男性化したり女性化したりする自分の体の謎を解き明かす為に染色体検査をしたところ、男性でもない(ある)女性でもない(ある)「半陰陽」と判明。以後、男性として生きることにした作者の第3の性別をテーマとしたマンガ。ちなみに作者は離婚し、相手の男性は現在は別の女性と結婚、子を設けている。離婚した男性とは現在も仲の良い友人関係。

 1巻では、「最後の晩餐」をパロった表紙だったが、2巻では「ビーナス誕生」をパロった表紙。デザイン学校の講師らしく絵にこだわっている表紙だが、この表紙は2巻の中身を表した絵で、1巻では紹介しきれなかった作者自身について多少突っ込んだ内容となっている。「半陰陽」と判明した後、家族はどのような反応であったかとか、胸を除去する手術のこと、女性らしい名前から中性らしい名前に改名する際のことなどプライバシーに触れた内容を披露している。読み物としては1巻の方がネタっぽくて読みやすいが、自分自身のことをネタとして披露するようになった作者自身について知るには2巻を読んだ方が分かりやすい。作者が「半陰陽」であることは紛れもない事実なので、類い稀な劇的な人生に直面して、それに対してどう向き合っているかという生き方を学ぶことが出来る。

 作者は、こうした性の問題の当事者にしては多分に明るい性格で、何事にもプラス思考で能動的な人。一般的に性について悩んでいる人の多くは表面に出て来ないので、作者のように自己表現することで自分とは何かと世間に問いかける存在は大変に貴重。おそらく多くの人が作者の存在を応援していることと思う。そして、自分の性別について何ら悩みがない人は、世の中には色々な人がいることを知る良い機会だと思う。医学の進歩により様々な人が生きている現代、男らしく女らしくという扱いよりも人間らしい扱いを心がけることが、互いに暮らしやすい方法だとこのマンガを読んで改めて思った。
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