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「陽あたり良好!」 あだち充
投稿日 : 2008/04/30 16:14
投稿者 久保田r
参照先
 1980年〜1981年にかけて小学館「週刊少女コミック」にて連載された作品。明条高校に通う高校生5人が一つ屋根の下で下宿する生活が描かれている。主人公は、岸本かすみ。学校に近い未亡人の叔母の家から通う為に下宿。他の4人は、全員男性で、かすみと同じく一年生。

 「陽あたり良好!」は、あだち充作品を初めてまともに読んだ作品。少女漫画雑誌に掲載されていたとはいえ、画風が他の作家の作品とは雰囲気が異なっていて、台詞も少なく読みやすかったので、すぐに興味を引かれて読み始めた。しばらくはこの作品が私の中のあだち充No.1作品だったが、「ナイン」を読んでからはその席を譲った。

 多感な高校生の青春が描かれていて、大人になってから読むとほのぼのとした可愛らしさを感じるが、初めて読んだ時は登場人物たちがみんな年上だったので、高校生活への憧れを感じていた。主人公のかすみには、中学生の頃から付き合っている親の都合で渡米している村木克彦という恋人がおり、遠距離恋愛をしている傍らで同じ下宿人の高杉勇作という気になる異性がいて、微妙な三角関係が進行しており、高校生とは何とも大人っぽい恋愛事情があるものだと、当時思春期真っ最中だった私に大きなときめきをくれた。

 あだち充作品は、そういう微妙な三角関係が魅力の一つとなっているが、私の許容範囲は「陽あたり良好!」まで。その後大ヒットとなった「タッチ!」や「みゆき」は、あまりにも有名なので内容のほどは知っているが、実はまともに読んだことがない。それらの作品の基となった「陽あたり良好!」に愛着を感じている次第。

 かすみと勇作と克彦の三角関係は、はっきりとした結論は出ていない。最終話で、勇作は、克彦から「かすみにプロポーズする」という手紙をもらい、その後のかすみとの会話の中で思いを告白する。

  勇作「だから今は高杉勇作を応援する」
  かすみ「なんに一生懸命なのよ?高杉勇作は?」
  勇作「岸本かすみ」

 これでラスト。その後の展開も余韻も何もかも大きく余裕を残したまま、読者の想像に委ねたまま終わっている。このラスト・シーンは、今でも大のお気に入り。名シーン。

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