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「KAI 35th Anniversary KAI BAND NEVEREND TOUR」
投稿日 : 2010/01/25 17:19
投稿者 久保田r
参照先
2010年1月22日 盛岡市民文化ホール

 デビュー35年を迎えた甲斐よしひろさんのライブに行って来た。

 今回のライブに先立ち、昨年の9月12日に同じく盛岡で行われた「いしがきミュージックフェスティバル」のラストに出演し、その時はなんと無料だった。出演時間は30分であった為、歌った曲は「安奈」「漂泊者(アウトロー)」「BLUE LETTER」「HERO(ヒーローになる時、それは今)」の4曲。出演したのは甲斐バンドのメンバーのみだったので、伴奏はギターのみというミニライブだった。(レビュー:http://chaos-i.com/review/event/patio.cgi?read=56&ukey=0

 ところが今回は、サポートメンバーを引き連れての正規のライブ。チケット1枚8400円という、35年の活動の重みを十分に感じさせる料金で行われるライブなので、プロとしてしっかりときっちりとしたステージを堪能できる筈という期待を胸に会場へと足を運んだ。

 私の席は1階の4列。ファンクラブ会員でもなく一般発売で購入したにも拘らずかなり前の席が取れたので、ラッキーと思いつつも多少の不安を覚えながら座席から後ろを振り返って会場全体を見渡すと、はっきり言って客の入りはよくなかった。やはり高額なチケット代が響いていると思うが、35年もの活動の間、盛岡ではほとんどライブを行っていない為、甲斐さんの生のライブを経験している人が少ないというのが大きな理由であるようにも思う。遠い地方の会場まで足を運ぶ熱心なファン以外の人で、地元の人は何人来ているのだろうかとちょっと気になった。私は、武道館や大きな会場を満杯にして来た甲斐さんのライブを経験しているので、今回の盛岡での客の入りには正直寂しいものを覚えたが、それだからこそ地方でのライブの甲斐さんを見てみたいという心境になった。

 そして、ライブが始まる。1曲目は、「ブライトン・ロック」。この曲の音の迫力と高揚感は素晴らしく、ギターの鳴りを耳にすると一気にボルテージが上がる熱い曲。今回のライブの主旨は、「甲斐の活動35年を甲斐バンドで飾る」とのことで、甲斐バンドの曲はもちろんのことソロ時代の曲とKAI FIVEの曲も甲斐バンドで演奏され、ソロ時代の懐かしい曲「電光石火BABY」やKAI FIVEの「風の中の火のように」などを年月を経てこの歳にしてライブで聞くことができて、本当に嬉しかった。両曲とも、当時のライブでは何度も聞いているけれど、今となってはライブで聞くのはなかなか難しい曲。これらの曲を聞くことが出来ただけでも、私には良いライブだった。

 途中、ゲストに西村智彦さんを招き、「安奈」での西村さんのギターテクを堪能したり、「ミュージックフェア」の収録の話を聞いたりしながら、2時間半強。目一杯力強く甲斐さんはステージを披露してくれた。デビュー時以来、ずっと歌い続けている曲を現在でも変わらぬスタイルで歌う甲斐さんのステージのパワーは、私がライブに通い詰めていた10数年前とほとんど変わらないように感じられたのが本当に嬉しかった。引き締まったボディと変わらぬステージパフォーマンスを維持し続けるプロとしての高い意識力。アーティスト「甲斐よしひろ」が何たるかであるかを感じ取るのはライブが一番というのがよく分かるステージだった。

 アンコールで「冷血」を歌った直後、会場がザワついたのが印象的だった。男の人も女の人も興奮を抑え切れない様子で口々に「格好いい」と連発しており、アンコールとはいえまだまだ続くパワーに刺激されているようだった。ラストの曲は「熱狂(ステージ)」。ベタではあるけれども、活動35年の感謝の意を表現するに相応しい曲。この曲をじっくりと聞いて、盛岡でのライブの幕は降りた。

 不思議なことに、ライブを聞き終えた直後、私の心は落ち着いていた。たぶん満腹感を通り越すほどの満足感を得たからだと思う。35年間の活動をまとめたライブであるだけに、昔ライブで聞いたインパクトのある曲ばかりで構成されていた為、最初から最後まで目一杯味わうことが出来たこと。そして私自身の年齢的なものもあるのだと思う。

 盛岡でのライブは、今後あるのかどうかは分からない。私は、今回地元でライブを見ることができて本当に良かった。ひたすらそのことに感謝。力強いステージをありがとう。甲斐さん。またお会いしたいです。
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