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「氷室京介 TOUR2010-11 BORDERLESS "50×50 ROCK'N'ROLL SUICIDE"」
投稿日 : 2011/01/31 16:48
投稿者 久保田r
参照先
2011年1月30日 盛岡市民文化ホール 1階9列

 拳振り上げライブを目一杯堪能。何なんだこの加速するパワーとエネルギーは。最初の曲からダブルアンコールのラストの曲まで、中盤バラードを挟み込んでも失速するどころか熱を内に内にと溜め込んで疾走するエネルギーが、ステージにも客席にも溢れて一体感となっていた。熱い。熱過ぎる。加速するエネルギーの源は、もちろんステージ中央で歌う氷室京介氏が生み出しているのだけれども、当の本人ですら時に喘ぎを見せるほどライブの熱とパワーは会場全体を包み込んで一つの”塊”と化していた。”塊は”魂”と置き換えてもいい。まさしく「BORDERLESS」なステージ。スタッフとプレイヤーとオーディエンスのそれぞれの熱が一分のズレもなく一つの高みで結びつき燃え上がるライブは、本当に熱くて快い。あまりの熱気に逆上せそうになり酸欠になりそうにながらも、それすらも甘受する危うい昂りと誘惑が満ち満ちている最高のライブであった。

 アルバム「"B"ORDERLESS」に収録の「Rock'n'Roll Suicide」をツアー・タイトルに冠し、”不可能な任務”="SUICIDE MISIION"とも掛けて50歳50本という異常な本数のライブを敢行中の氷室京介氏の盛岡公演に参戦。盛岡公演は、丸6年振り。この間氷室氏はソロ20年目の節目を迎え、アリーナ・ツアーを中心にライブを行っていたので、ようやく盛岡でのライブに参戦できたのが実に6年振りということに。6年という月日は待つ身にとっては長く、もう盛岡には来て下さらないのかと自分の中で諦めムードが漂っていた最中に舞い込んだ盛岡公演の報に一も二もなく飛びつき、チケットをゲット。従来の紙製チケットと電子チケットの2種類があり、私はiPhoneにQRコードを読み込むタイプの電子チケットにて会場入りとなった。

 ライブ参戦にあたって連日NEWアルバムを聞き込んだ甲斐あって、前述のように熱くパワフルなライブを満喫することができた。盛岡でのライブは丸6年振りとはいえ、NEWアルバムを引っさげてのライブツアーのため、セットリストのほとんどはアルバム「"B"ORDERLESS」から。ビートの激しい曲とバラードで構成されたアルバムと同じく、初っぱなから拳を振り上げる激しいビートロックが展開され、途中にはアルバム「Higher Self」から数曲披露され、このアルバムに格別な思い入れのある私は個人的に感動し、中盤のバラードの箇所では、ライブではレアな演奏となる「MISSING PIECE」をしっとりと歌い上げ、バラードの締めとして「Sarracenia」が歌われた時には、この歌をライブで歌うがためのセットリストではないかということを感じ取り、改めてアルバム「"B"ORDERLESS」へ掛ける氷室氏の思いを胸に刻み、後半は「忘れてゆくには美し過ぎる…」の曲を挟み込んでノリのいい”ヒムロック”の曲の数々が疾走。怒濤の後半戦となった。MCがほとんどない氷室氏であるだけに、畳み掛けるような曲の展開に息つく間もなし。オーディエンスも熱を帯びて盛り上がる一方であったが、氷室氏も飛ばしていたと思う。数少ないMCで、前日の郡山でのライブの後レコーディングの仕事があり、2時間しか睡眠を取っていないと語っていたが、ハードスケジュールの疲れを吹き飛ばすかのような熱く疾走したライブ後半だった。アンコールで登場した際のメンバー紹介のラストでは「俺は氷室に決まってんだろ」の台詞と微笑みにオーディエンスはノックアウト。1回目のアンコールの後、ライブ終了のアナウンスが流れるも、数分後に再び登場。最高に熱く盛り上がる「SUMMER GAME」を熱唱してラストとなった。

 ステージ全体の構成の印象は、コントラストのきついメリハリ。コントラストとは、主に写真で明と暗の対比を表現したものを指すことが多いが、氷室氏は自身の音楽をMCで「コントラストがはっきりしている」とコメントしており、そのコメント通りにがっちりとコントラストの効いたステージ構成になっていたように思う。ステージの背景に流れるイメージ映像の描写もコントラストが効いているし、照明の色使いもはっきりとしている。そして、コントラストがきついと感じた最大の理由は、1曲ごとに真っ暗に落とされる照明。ノリのいい盛り上がりのある曲の後も、しっとりとしたバラードの曲の後も、1曲ごとに照明がバッチリと落ちて暗くなり、たった今歌い終えた歌の余韻に束の間浸る数瞬の間があることが、今回のステージの大きな特徴であると感じ取った。このステージ全体の構成も、アルバム「"B"ORDERLESS」のイメージを表現しているものと感じた次第。

 当日は、朝から雪が降り、寒い一日だった。雪で覆われた駐車場に停まっている数台のツアートラックも見た目は寒そうであったが、白い雪と対称的なトラック側面の黒色の引き締まったプリントを見ると、氷室氏の孤高さえ感じられ、気分はさらに高揚した。最高のステージをありがとう!また帰って来てください、盛岡へ!

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