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「宇宙戦艦ヤマト/遥かなる星イスカンダル」(PS)
投稿日 : 2002/04/22 21:36
投稿者 Excalibur
参照先
ここはゲーム・レビューのコーナーですが、今回は『ヤマト』のリメイク作品として取り上げてみたいと思います。
まず注目したいのがそのキャラクターで、オリジナルに忠実でも、あるいは今風のものでもなく、採用されたのは松本零士調のものでした。増永計介が描くところのキャラクターは実は松本零士のキャラクターとは違うものですが、そのタッチを巧く取り入れてアニメ版の印象を残しながらリ・デザインされています。元々アニメ版のキャラは、松本零士のデザインを元にアニメーターの手によってアレンジされたものですから、今度はアニメ版のキャラを松本零士風にアレンジしなおしたという逆の行程を踏んだことになります。どうしてもアニメ版のデザインでなければ嫌だという方は除いて、アニメ版のファンと松本零士ファン、その両方を取りこむことになったのですから、これは好結果に繋がったと言えます。
物語はパート1に順じた構成となっておりまして、ファンなら次はどうなるということがわかりやすいのもマルです。また、原典にはないキャラクター(シュルツの兄コルサック)やエピソードが付け加えられていますが、これはゲームという性格を考えると仕方ない部分もあるでしょう。ある程度のイベントの量を揃えておかなければならないのですから。ただ、科白がかなり違うのには違和感を覚えます。ここまでの有名作品ともなれば、このシーンでは、このキャラクターのこの科白!というのがファンならば当然頭にインプットされているのですから、むやみに変える必要はないと思います。この変更によってゲームの進行がスムーズになるといった必然性も感じられませんし。何か権利関係などの問題でもあったのでしょうか。
違和感という面ではキャスティングにも感じられました。古代進は別にして、沖田、雪、真田、徳川、佐渡、相原、太田、南部、加藤、古代守、アナライザー、デスラー、ドメル、ヒス、シュルツ全てオリジナル・キャストを揃えているのです。島とスターシャはそれぞれ2代目ですが、それでも初役ではありません。にもかかわらずどうにもしっくりこないのは、演出や役者側の演技に対する解釈の違い、それに何よりも歳月の重みということでしょうか。何も当時のままそっくり再現して欲しいとは思いません。それは不可能だと思いますし、それならば当時の音声をそのまま再利用すれば済むことです。ただ、改めて本人に再度演じてもらう意義を充分に感じたいだけだったのですが、それが一抹の寂しさに繋がってしまったのは残念としか言いようがありません。
ともあれ、このゲームソフトによって初めて『ヤマト』に接した人も多いはずで、そのうちの何人かが原典に興味を持ち、更にファンになってくれれば喜ばしいことだとは思います。
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