2007年8月8日　EMIミュージック・ジャパン

（1）我風
（2）草原の彼方
（3）風林火山 〜月冴ゆ夜〜
（4）天翔る鳥
（5）焔 -ほむら-
（6）宵祭
（7）月ぬ美らさん夜
（8）祝い歌 〜天地開闢〜
（9）祈 -いのり-
（10）かごめかごめ
（11）蒼乱舞

編集

　NHK大河ドラマ「風林火山」の「風林火山紀行」のテーマ曲（3）「風林火山 〜月冴ゆ夜〜」を含む新作アルバム。日本の民話や神話をテーマにまとめられてあり、壮大さの中に繊細さを感じるアルバムとなっている。

　予備知識もなく始めてこのアルバムを聞いた時には（バラエティ色豊かな音色）という第一印象を受けた。メロディアスで繊細な響きは、今まで以上に磨きがかかっていて心地いいものであったが、使用されている楽器に”洋”の音色が多かったので、音楽の幅が広がったのだろうかと感じた。

　アルバム紹介を見ると、日本の民話や神話をテーマにしているとのことだが、ことさら”和”の音色にこだわっているわけではないように感じる。曲名にこそ民話・神話らしさは感じるが、演奏は現代風な音色が随所に入っていて、（3）「風林火山 〜月冴ゆ夜〜」を軸に現代の視線から捉えた民話・神話のイメージを曲にしたという印象。

　（6）「宵祭」は、アジアの雰囲気を感じる曲。（7）「月ぬ美らさん夜」は、奄美島唄継承の第一人者・朝崎郁恵さんが補作詞とヴォーカルを担当し、なんともゆったりとした沖縄の風を感じる曲。（8）「祝い歌 〜天地開闢〜」は、韓国伝承曲で、編曲は上妻氏自身が行っているが、不思議な感覚のする曲となっている。（10）「かごめかごめ」は、日本のわらべうた。シンプルな三味線のメロディーの演奏に始まって、速さを変えながら様々な表情で演奏している。（11）「蒼乱舞」は、YOSAKOIソーラン祭り イリュージョンチーム テーマ曲。YOSAKOIらしさが漲っている曲で、日本の祭の良さが表現されている力の沸いて来る曲。当アルバムの中で最も気に入った曲で、この曲のタイトルと（1）「我風」でアルバムタイトルとなり、繰り返し聞くことのできるアルバムとなっている。

編集